あの日失ったクリエイティビティ
中高生の頃、脚本家になることが夢でした。古沢良太さんの「リーガルハイ」をみて憧れたんです。
こんな面白いことをする人たちがいるんだ。自分もやってみたい。そう思って色々書いていた時期がありました。
高校ではクラス演劇やミュージカルなどの脚本を担当して、やっぱり自分はこれをやってる時が1番楽しいと思っていました。
しかし2019年5月、古沢良太さん脚本の「コンフィデンスマン ロマンス編」が公開され、そそくさみに行ったら、言葉通り度肝を抜かれました。
すごい、神だ。私には無理だったんだな。そう思って、全ての創作意欲とクリエイティビティを奪われた。私の夢は、古沢良太さんから始まり、本人が綺麗に終わらせてくれました。
そんな中2年ほど、創作はせず過ごしました。描きたいという気力もなく実力もなく、日々は淡々とすぎていきました。
それでもやっぱり、書くことを仕事にしなくても一生に1作品だけでも自分で作った脚本で作品を残したい。今でもそう思っています。
最近はコロナでつかれ、わけもなく目に涙が滲むそんな日々を送っていました。
こんなに真面目にならなくても良くないか?そう思ってあの頃よくやっていた、創作に手を出しました。かけるかわからないけど、今書いてみたい。コロナ禍で荒んだ心がそう鳴いたのを聞いて、何も考えずに書いてみたら、とっても楽しいんです。
「この感じ懐かしい」そう思いました。昔は描きたいと思ったら昼夜問わず気が済むまでやったな。オールしたこともあったな。なんだか懐かしい、楽しい。楽しいんだ。生きるという一部分を、ふと思い出したのです。
この作品、書き上げてみよう。質じゃない。終わらせてみよう。今はそう思えるところまで来ました。
今見出した光は、今勝ち取っていこう。そう心に決めつつも、今日は布団に入ることとします。