オレンジの鍵付き箱を探してるねぇさんわたし喉が渇くの
雨、花見できないねと君かざす手がおぼろに透けてこの部屋の春
青褪めて心臓を突き破りてはかざす手のひら桜なりけり
かわいいにかこまれてくらしたいから、かわいいに「いいね」する脊椎
なにげなくうたを遣ればうたを寄越しぬるい空気が色づく夜更け
指先にのせた羽毛の感触でたましい今日も地球をはなれ
「歯医者に行ったあとに食べるクレープの罪」を犯して自宅謹慎
肩甲骨に彫った文字祈りだねその昔天使だった頃の