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長編漫画『ヘンリー・セヴン』プロット

高2の冬、ふいに浮かんだ長編漫画。
まだ道半ばなので、ざっくりプロットだけ。

言葉を封印した女性画家〈マザー〉と、その手で刻まれた饒舌な彫像。彼の名は〈ヘンリー・セヴン〉。
セヴンというからには、ファイヴも居る。
ファイヴが居るからには、「はじまり」が在ったということ。

▲散らばったネーム

第一章の主題は「抽象の海」
あとは何にしようかね…
何章まで作るか…
最終章は「殺された彫刻」で締めようか。

ヘンリー・セヴン含め、マザーの作品はみな生きています。
いえ正しくは、すべての芸術が例外なく生きています。
かの『ナイトミュージアム』のように夜半に動き出すわけではなく、筆跡に従って血潮はさざめき、顔料は絶えず流動している。

"動く彫刻"ヘンリーの役目は、各地に展示されるマザーの絵画たちへ会いにゆき、内部へ潜り込み、丹念に世話を焼くこと。
夜の美術館内を駆け回って(結局ナイトミュージアムやないかい)麦畑には水をやり、赤子は肩車であやし、老人の手を握ってやったり…

そうこうするうちに、ヘンリーはマザー以外の作家の作品とも交流するようになります。
実在する抽象画やら、芸術家たちの数々の"夢"ーードローイング、ペインティング、リトグラフにもヘンリーが入り込んでいく、という設定で。
作品を媒介して、作家の人物像を垣間見たりも。

こうして諸芸術と心を通わせるヘンリーの日課は、作品たちの声なき言葉を、マザーの姪である〈かぐや〉に教え伝えること。
はじめは少女ですけど、最終話までにちゃんとでっかくなりますよ。彼女もキーパーソン。

さて…画家の名は最後まで明かしません。作中での呼び名は一貫して〈マザー〉。
彼女から生じた数々の作品からすれば、彼女は"mother"だから?それもあるんですがね、それだけではないんですね。

若かりし頃、フィレンツェに滞在中のマザーはある人物とめぐり逢います。彼こそがヘンリー・セヴンの「はじまり」…モデルとなった青年です。
"Enrico"はイタリアの男性名、"Henry"はその英名。彼は自らを〈ヘンリー〉と名乗り、マザーにもそう呼ぶよう促します。

10代の頃に罪を犯し、獄中での刑務作業で彫刻を極めた男。刃物を持たずして、不気味なほど精緻な作品を刻んでいく。

彼に惹かれ、彼の代わりに刃物を握ったのがマザー。
絵描きである彼女は筆を置き、ヘンリーの右腕となって、彫刻に取り憑かれていきます。

▲大事な舞台《サン・ミニアート・アル・モンテ》

フィレンツェのミケランジェロ広場から、ほんの少し上がったところにひっそり佇む素晴らしい教会。たったの5分でこの静けさ。
イタリア行ってホントよかった。忘れられない場所です。

聖ミニアートの眼差し。

神のもとに言霊を交わすマザーとヘンリー。

ただそれも、束の間の灯…

「マザーハウス」という、受刑者の更生施設が実在します。

そうです。

ヘンリーにとって彼女は「マザーハウス」だったのです。

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さあ、四の五の言わんとガンバって描こ。

そうそう、来週京都シネマで『プリズンサークル』が上映されるんですね。
受刑者の過去にフォーカスを当てた更生プログラムを導入する、島根の刑務所のドキュメンタリー映画。そんなこんなで心して観てきます。

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