文章作成のコツを教えます(2)抽象度(具体的にとは?)
小学校教員資格認定試験の論述試験の過去問を見ていると「具体的に述べなさい」と書かれている問題が多く見受けられます。問題を理解するために、今回は「抽象度」について述べていきます。
文章/文/語句の抽象度とは?
次に示されている場所を、抽象度が高い順に並べるとどうなるでしょうか。
①私は日本に住んでいます。
②私は東京に住んでいます。
③私は世田谷区に住んでいます。
そうです。①>②>③ですね。
これを見て、抽象度が高いと、住んでいる所がぼんやりしていてよくわからないと感じませんか?
一方、③は具体的(抽象度が低く)書かれています。あー世田谷と言えば住宅街かな、などとイメージがわきやすいと感じますね。
論述試験で具体的にとあるのが求めているのは、イメージがわきやすい記述だと解釈できます。
論述試験でどれだけ具体的に書けばいいのか?
それでは、どれだけ抽象度を下げて具体的に書いたらいいのか?ということになります。さきほどの例でいくと
・世田谷区/世田谷区弦巻一丁目/世田谷区弦巻一丁目何番地・・・
どこまで具体的書くといいのでしょうか。
令和2年度の試験で私が実際に書いたのは「授業場面」でした。
当時の記憶をたどり、Ⅳの問1(特別の教科道徳)で書いた下書きメモを以下に書いてみます。
1)特別の教科道徳を要=道徳科だけでなく他でも取り入れる
2)教科学習でも取り入れる
3)例えば3年理科の実験
3の説明)実験道具がグループ一つしかない
児童がどうすればよいか考える→行動にうつす
→道徳的実践意欲と態度を醸成
1)(まとめ)教科学習や学級活動で道徳教育を計画的に取り入れる
このメモの構造は以下のとおりです。
1)イイタイコトを宣言(ただし抽象度が高くてわかりにくい)
2)宣言の中身を説明(抽象度を下げて説明。でもまだわかりにくい)
3)2を具体的な授業場面で説明(イメージしやすくわかりやすい)
1)イイタイコトを再度宣言(まとめる)
このように、イイタイコトをわかりやすく表現するためには、抽象度を段階的に下げて、イメージしやすくわかりやすい具体的な授業場面で説明するようにします。
これができれば、読み手はイメージしやすく納得がいく文章になります。
なお、最後のまとめでは、最初に宣言したイイタイコトと中身がズレないようにそろえて書きましょう。
抽象度を意識すると書く内容が整理しやすくなる
私の下書きメモにあるように、抽象度を意識すると、書く内容が構造化できます。
何をどうやって書こうか迷っている時、抽象度毎に事柄を整理すれば、自分の考えもはっきりしてきます。
文書を書く際は、抽象度を意識してみるのをオススメします。