春のアペロレシピ帖 (前菜・スープ・フレーバーバター)
四季折々のテーブルを中心とした情報を出していきたいな、と考えていた。四季のテーブルを楽しむウェブマガジン。
ただ、肩肘張る、お皿の上にお皿が載っている、テンションは上がるが、揃える・片づける・収納するテンションは私の中では下がること間違いなしだったため、気軽に楽しむ前提だ。
春に対して一番ワクワクするのは実は2月だと思う。実際に春になってしまったら、夏までのスピードがフルスロットルで激流にのまれていつのまにか夏だから。結局、その季節を楽しむことよりも、準備が楽しいのだと思う。クリスマスの装飾を見て、ワクワクするあの感覚に似ている。
架空のレストラン、”bistrot de fiction”という催し物を友人と行っている。幻だったと錯覚してしまう儚い1日1組だけのレストラン。装いも場所もテイストも移り変わる、そんなレストランをイメージしている。
春だけど、シックに。
シックなものが好きだ。春、といえばピンクをイメージするが、とにかく色味を抑えたい、という話になった。友人とは、いろいろ議論をネット上で交わすけれど、持ち寄った道具を見て、当日のインスピレーションでどんどん変わる。そして当初の期待値以上の出来になる。だから楽しい。
今回はブルーグレーのリネンのクロスをベースにした。小物、皿も華やかではなく、黒・白・グレーの落ち着いたものにしようという話になった。ただ、それだけでは”春らしさ”が出ないので、キャンドルやグラスで透明感を出すことによってまとめようという話になった。
花はこでまり、器はお互い持ち寄った作家さんのもの、そこにクリアなキャンドルベースをいくつか散りばめた。
メニュー表は友人が淡いペールグレーをベースに儚い感じで作ってくれた。黒いお皿に合う。これも偶然のなせる技だろうか。利益追求ではない、作品作りなので、こういう実験的な、自分が好きなことを追求できるのは楽しい。
まずは前菜。横山拓也さんの器に載せて。ななめグラスはアメリカのもの。ちょっと盛るのに重宝していて、探してよかったと思っている。
手の込んだものを作るのも好き。でも、人に紹介するときに5時間煮込む、と言われたら無理です、となるのは目に見えている(というか教わる立場だったらと思っても無理。)”簡単だけどおしゃれにみえる”というのを大事にしているので、ものすごく簡単。
・Printemps potage 春のポタージュ (黄色が使いたかったので、コーンの豆乳ポタージュ)
・sable japonaise 日本を感じる和のサブレ (米粉のサブレに味噌バター、野菜チップスを。)
この2品。
<Printemps potage 春のポタージュ>
材料 とうもろこし(缶) 300g
豆乳 400ml
コンソメ 1つ(私は茅乃舎さんの野菜だしを使ってます)
1.とうもろこしとコンソメをミキサーにかけて時間があれば濾す
2.豆乳を加えて器に盛る。好みでハーブを盛る。
<sable japonaise 日本を感じる和のサブレ>
材料 粉チーズ 50g
米粉 100g
バター 80g
塩 小さじ1/4
1.バターは室温に戻してなめらかにし、そこに他の材料を混ぜてよく練る。
2.混ざったら均等に分け、丸めて平たくする。
3.オーブンを180度に設定しておく
4.温まったら15分焼く。
かなりほろほろになるので気を付けてください。
<味噌クリーム>
材料 味噌 大さじ1 クリームチーズ 大さじ6
1.材料をよく混ぜ合わせる
2.味を見る。(味噌によっても味わいが変わるので、塩加減を調整)
3.サブレの上に載せれば出来上がり
そして、次はスープ。soupe スープは今回フランに。器は友人の器に、私のスレートプレートを敷いてみて重厚感を出してみた。また、穂紫蘇を添えることによってちょっとしたかわいらしさを演出。(私の料理は穂紫蘇さまさまだったりする)
春のフラン Fran du printemps (山菜の苦みがふわっと。器の横には穂じそを。)
なお、奥にうつっているのが、桜バター。春を感じやすく、かつ味わいもたまらないのでぜひ試してほしい。
<春のフラン Fran du printemps>
材料 たまご 二個
コンソメ200cc
豆乳 50cc 生クリーム 30cc
塩・こしょう 少々
好きな山菜 (今回はたらの芽、こごみ、中にふきのとう)
1.山菜は下ごしらえ(下ゆで)しておく。あく抜き必須。
2.材料を全部混ぜる。時間があれば濾すことでなめらかに。
3.器に入れ、弱火で蒸し器で15分ほど蒸す。(すが立たないように)
4.竹串を通し、火が通っているか確認し、できあがり
私はレンジの茶わん蒸しモードで作ったりもしており、ずぼらを極めている…。しかし、最近のスチーム機能はすばらしく、美しく出来上がるので、お持ちの方は是非。
<桜のバター Beurre cerise>
材料 桜の塩漬け 小さじ1 無塩バター 50g
1.桜の塩漬けは水で塩気をある程度抜いてキッチンペーパーで水気をふき取る
2.バターは室温に戻し、よく練って1を入れて混ぜる
3.ラップに2を広げ棒状にし、冷凍庫で固めれば出来上がり
とにかく香りが、桜。桜いっぱいで幸せな気持ちになる。そしておいしい。
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簡単なのに華やかになるので、持ち寄りにも重宝している。茶わん蒸しも現地で道具を借りればすぐできるため、あつあつふうふうが楽しい。ぜひチャレンジしていただきたい。
次回は、後編。サラダ・メイン・デセールをご紹介します。
超ありがとうございます。推しへの活動につなげます。