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ひよこ部が始動

ひよこ豆で作るベジミート、通称“ひよこ豆ミート“の研究・開発を行っているひよこ部。原料調達に時間がかかり、先月からようやく、実際の試作がスタートしました。10月半ばにできたてほやほやのひよこ豆ミートの試食会に参加させていただきましたので、その様子をお届けしたいと思います。

ひよこ豆ミートができるまで

まず、ベジミートの定番である大豆ミートは、エクストルーダーという機械を使って、脱脂大豆粉に水分を添加しながら、加圧することで、肉っぽい繊維感のある食感が生まれます。ブロックやミンチ、スライスなど出来上がりの大きさに応じて、水の量や加熱温度などを変更して製造されます。

ひよこ部では、大豆ミートに残る特有の大豆臭を軽減したベジミートを作りたいと考えていたので、くせが少なく食べやすい豆ということでひよこ豆に着目しました。

ひよこ豆の特徴は、甘味やほくほく感があります。栄養価では、炭水化物が60%で、たんぱく質が20%程度。ベジミートを作るには、たんぱく質量がある程度必要だと考えています。そのため、たんぱく質70%以上含有する、”ひよこ豆たん白粉”を探し出して使用することにしました。

そして、エクストルーダーを使ってミート化するには、まずは大豆ミートと同じくらいの栄養成分価になるように粉を調整していきます。ひよこ豆100%のひよこ豆ミートを目指すべく、ひよこ豆たん白やひよこ豆粉 (ベサン粉といわれます)を配合することで、たんぱく質量や炭水化物の割合を変えながら、菱熱工業さんのご協力を得て実験をしている段階です。

試作品ができあがる

●1回目
最初は脱脂大豆粉とひよこ豆たん白粉を使用して8パターンの試作品が完成しました。写真は、大豆ひよこ豆ミート(脱脂大豆粉+ひよこ豆たん白粉)

1回目 大豆7ひよこ3

“ダイ”という機械の出口が平板になっている形なので、平たいベジミートがでてきました。ここで出来上がったのは、半乾燥品で、水分が含まれた重みのある状態。このまま食べたりすることもできますが、乾燥させると乾燥大豆ひよこ豆ミートになります。

8パターンの試作品を湯戻しした状態
#6:ひよこ豆たん白粉100%
それ以外:脱脂大豆粉とひよこ豆たん白粉の配合割合を変えたもの

1回目戻した後

●2回目
100%ひよこ豆でミート作りに挑みます。ひよこ豆たん白粉100%や、ひよこ豆たん白とべサン粉の配合割合を変えプレミックスしたものをエクストルーダーに投入し試作していきます。見た目は、、、そう、あの某駄菓子とそっくり(笑)。

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写真↓は、某ビッグ〇ツ(左)、ひよこ豆ミート(右)の比較

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8パターンの試作品を湯戻しした状態
#6:ひよこ豆たん白粉100%
それ以外は、ひよこ豆たん白粉+べサン粉で配合割合を変えたもの

2回目戻した後

果たしてそのお味とは?

試食は、ひよこ部、料理部、リサーチ部などその他の会社のメンバーとで実施。味付けはせず、エクストルーダーで出てきた状態の半乾燥品を湯戻した状態で食しました。

●1回目の大豆ひよこ豆ミート、ひよこ豆たん白100%
 ✓ 配合割合によっては弾力感が強すぎる
 ✓繊維感があまり感じられない
 ✓ひよこ豆たん白が多いほど、固いイカみたいな食感。
 ✓#6に関して、味は悪くない、豆臭があるが大豆臭とは違う香り。 

中には、この半乾燥品のまま調理してきんぴらにしてみたり、電子レンジで膨化乾燥を試みたり。きんぴらは、メンバーの娘さんに好評、膨化乾燥したものはサクサクになり、乾燥したらこうなるのでは?というヒントも得られました。

ひよこ豆

●2回目のひよこ豆100%ミート
 ✓ひよこ豆たん白粉の独特の味と風味がする
 ✓前より水分量が減った、繊維化していない
 ✓ひよこ豆粉(べサン粉)が多いと粉っぽい状態のまま

こちらも、参考文献を基にオーブンで焼いたり、レンジで加工したりと試みますが、全くといっていいほどおいしく食べられる状態にはなりません。。。この日は、味付けして食べてみることはあきらめました。

ひよこ豆 (1)

まだまだ続く

実は、ひよこ豆ミートは、既に存在していてアメリカで販売されています。この製品は、100%ひよこ豆で出来ている乾燥粒状品。そのため、同様の製品はできるはずと信じています。

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ひよこ豆100%ミートと脱脂大豆100%での製造工程の異なる点というと、
・エクストルーダーの最終温度は大豆ミートは140₋150℃、ひよこ豆ミートは120₋130℃。
・ひよこ豆たん白粉はでんぷん質や脂質が多いため、焦げやすい。
2回目も何とか形にはなりましたが、配合割合によってはなんとか形になって出てきただけで組織化(線維化)できていないという結果になりました。

たんぱく質や炭水化物の量を大豆ミートと同等にしても、たんぱく質の組成の違いなのか、脂質が多すぎるのか、機械の温度や回転数、水分量の調整なのか、様々な要因が考えられ、理想的なひよこ豆100%ミートにはまだ少しかかりそうです。

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ひよこ豆ミートづくり、簡単にはいきません。つづく。



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