7/7 モテ子編 最終話
誰でもオーナーに股開くと思うなよ!
こっちが誘われても願い下げだ!
好みでもないし、好きになれるわけがない。
お前が知らないだけで店中の女に手を出してるのはみんな知ってんだよ!
セックスが下手な事も知ってるわ!しかもケチでただマンさせるって知ってるわ!
後々に聞いたけど、オーナーが筋トレのパーソナルしてて食事制限してるからって
ご飯もご馳走してくれないってモテ子がボヤいてた。
オマエのどこに惚れる要素があるって言うんだよ!
モテ子は多分オーナーだからお金持ってて好きなだけ使わせてくれるって思っての
行動だと思った。
なぜなら、モテ子は金の亡者だって知ってるから。
お金のためなら何でもやるって何度も武勇伝を聞いたし、お金が絡んでのトラブルが多いのも知ってた。
だから嫌だったんだよなぁ・・・
モテ子に「働くとこ決まった?決まるまでって約束だったよね」って聞いたら
「そんな約束してないよ」って言われた。
働くのを続けるのは別にいいんだけど、なんか問題起こしそうですごく嫌な予感しかしなかったんだよ・・・でも、私の責任だと思ったから一時的な仕事先を紹介しただけで・・・
内心、そこそこ平和に働いてた職場を壊されたくなかった。
自分にとっては長く居れたからこその居心地がよかっただけで、お店のスタイルや方針、
いろんな面でとてもオススメできる店だとは思ってなかった。
オーナーと話し合った後(結論なんか出ないけどね「避けないでやって」とか言われて終わった)、店長に時間作ってもらって、店長の前で大泣きした。
自分の思ってる事全部言った。「どうしてこんな目に遭うの?なんであんな言い方されなきゃいけないの?」って店長に言ったら「気にしなくていいよ、オーナーなんてしょっちゅう遭う人じゃないんだから、気にしないでAKANEちゃんはマイペースにやっていけばいいでしょ?
言わせとけばいいじゃない、AKANEちゃんが頑張ってるのはみんなわかってるよ、それでいいじゃない」そう言ってくれた。
死ぬほど泣いて気が済んだ。
確かに気にしないのが一番だし、
今私がここにいるのはそれを認めてくれた周りの人の評価だと思えば、
何も間違ってないと思えた。
確かに私は頑なに本番をしないかもしれない。
お客さんに怒鳴られる事もある。
呆れられて拗ねられる事もある。
だけど一生懸命に手コキ(笑)して、喜ばれる事もある。
「こんなに頑張ってもらった事ない、久しぶりにイけて嬉しい」
その言葉を聞くために私は頑張ってるんだった。
お金は欲しいし、たくさん指名も欲しいけど、
間違った頑張りで後々自分の首を絞めたくない・・・
ただ、誤解は説きたかった。
モテ子には理解してもらえると思ったけど、一心不乱になってる人には何を言っても無駄だって
事は知ってるから、何言っても聞いてもらえないと思って何も言うのを止めた。
多分、すぐ気付くはず。
自分にお金は使ってくれないし、女が何人もいるし、気まぐれに呼び出すワガママでセックスが下手な自己中男だって。(セックスは下手でもいいんだろうなぁ)
ムキになって言ったらオーナーのことが好きだと勘違いされても嫌だから止めとこーっと。
その時は本当に店長には感謝だなぁ・・・
その時、頑張ってたら見てくれてる人がいるんだって、
人生で最初で最後に思った時だったなぁ・・・
以後頑張っても報われないって学んだ・・・
その後、案の定さっさと別れた(捨てられた?)みたいだった。
わかってた事だけど、お互いワガママだし、どちらかのワガママにどちらかが合わせられない。
セックスしたら帰れって言われる。結局やるだけに会う。
「何にも買ってくれないし、つまんない」ってモテ子は言ってた。
お客さんにも色管理する癖に、詰めは甘いんだね。
計画的にお金を使わせるように男を誘導できないんだなって思った。
彼女にはプライベートで色々世話にもなったし、男も紹介してもらったけど、
自分から積極的に誘うのはもう勘弁だなって思った。
こう考えると本当になんでも理解してもらえる友達なんて世の中いないんだよなって
心から思う。
それに、そんなオーナーの下で働く者のほとんどがお金を持ち逃げする気持ちは理解できるから、「またかー」って言葉しか出なくなった。
ちなみにしばらくして、モテ子も辞めたんだけど、普通に「辞めます」でいいと思うんだけど、
「乳がんで仕事が続けられなくなった」って泣きながら言ってたって店長が言ってた。
フツーーーーーーーーーに元気に近所歩いてたよ。
なんでそんな大それた嘘をつくんだろう・・・
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