7/29 挙動不審な男

昨日の続き

「ちょっとーーー何やってんのぉ~~~~~」とガバッと起き上がったと同時に
顔のタオルを剥いで男を見た。
あたふたして固まった顔と何かを慌てて隠す動き。
見逃しません。

「何?それ、出して、それと何?あれ」
サイドボードの黒い物体を指差す。

男は「え?え?何にもないよ」と言いながら動かない。

「出して」

少し言葉を強めにして言う。

立ち上がってサイドボードの上の車の電子キーみたいなのを手に取ってジックリ見ると
小さなレンズが見えた。
そのものすごく小さなレンズはベッドの方を向いていた。

男の方を見ると正座してプルプルしている。

「何やってんの?何なのそれ」
男の脇に置いてあるのはマッサージクリームと旅行用ポーチ
それを手に取って、中を見てみるとポーチのポケットにはたくさんのコンドーム
ホテルに置いてあるのを毎回持って帰ってるようにためておいたような感じ。
様々なパッケージがたくさん入ってる。
その脇にボイスレコーダー

「・・・録音してどうすんの?」

「個人で楽しむものです」

「・・・個人もクソもないんだけど・・・こーゆー事しちゃいけないのわかってます?」
「はい・・・」

部屋をぐるっと見渡すと

さっきのサイドボードの隠しカメラが置いてあった隣に大画面のモニター、
その隣に不自然に置き時計。
いや、さっき部屋に入って来た時はコレなかったし(笑)

それも手に取ってよく見るとちーーーーーーーいさなレンズ

ベッドの頭のボードのとこに小さな黒い塊。

それも手に取ると「これもかよ」最小のカメラ

「ボイスレコーダー、再生して」

「録れてなかったみたい」
「いやわかんないし、再生して」

ボイスレコーダーをカチカチいじってるようで、なんかラチあかないので、
奪い取って、巻き戻し再生をしてみるけど、音がない。
「他の音も入ってるからやめて」とか言う男。

「いや、言う権利ないし、いつもこんなことしてんの?
許されると思ってんの?つか今までバレてないの?」

「いえ・・・ないです」

カメラを持って「これは?どうやってみるの?」

「パソコンがないと見れない」

「じゃーどうするの?店の人呼ぶしかないよね?」

「でも、壊れてるから撮れてないし」

「・・・? いや、じゃーなんで仕掛けてんの?意味わかんないよ」

「もしかしたら撮れてるかもしれないと思って」

「じゃー撮れてるかもしれないじゃん」
「でも、個人で楽しむだけだから」
「そんなのわからないでしょ?とりあえずお店の人呼ぼう」

「待って!もう遊べなくなっちゃう」

知らねーよって思ったんだけど、

「じゃぁ、全部預かっておくから、来週の同じ時間にパソコン持って来て」
「え?」
「だから、来週の同じ時間に予約してパソコン持って来いって言ってるの」

それを納得させて、カメラを没収して男を返した。
もちろん何もしてない。


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