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報告 まんまカフェ グース

すっかり冬だという陽気になりました。今回はそんな12月4日に行いました音心今年最後のコンサート(おそらく)の報告記事でございます。


青一色

見事なまでに青色1色の空模様。そこには雲どころか塵1つ見当たらないようなスカッとした青空が広がっていました。こんな気持ちの良いお天気の中でライブが開けることに感謝して、会場に向かっていました。
ところがこの日は思いもよらぬハプニングが起こり、大幅に会場到着が遅れることになってしまうのです。

写真 青一面の空

焦りと連絡

もともと予定していた会場到着時間どころか演奏会の時間まであと15分という状態になり、このままでわほぼ確実に間に合わないことを認識して、まずは会場のグースさんに到着が遅れそうであることをお伝えしました。
計画を立てた上でコンサートを見に来てくださるお客さんにとって、申し訳ないという気持ちが頭をよぎっていました。
車に乗りながらGoogleマップを確認してみたとき、その到着予定時刻を見て愕然としました。15分どころか30分以上遅れてしまいそうだということがハッキリしたからです。

気持ちとできること

さて、猛スピードで移動している車に揺さぶられながら、えんじろうはひたすら考えていました。なんとか会場にたどり着くと、既にお客さんは呆れて白けきった状況。人数もほとんどが帰ってしまっている状況。たくさんの最悪の状況というものを想像して落ち込むベクトルが働きます。お客さんに対する申し訳ない気持ちと、どうしたら許してもらえるだろうかという気持ち。
そしてそんなときにふと頭をよぎったのです。それらの考えはすべて、自分たち音心が楽になるための手段でしかないではないかと。

わざわざ音心のライブに足を運んでくださるお客さんたちは、おどおどと申し訳なさそうな姿を見せる音心の姿を見ることで満足できるのだろうか?「今日は変なこともあったけどそれも含めて面白かったね」と思ってもらうことの方がよっぽど大切ではないのか?
もともとライブに足を運んでくださるお客さんは、我々の演奏を聴く為に来てくださっているのです。死活問題なのは演奏を聴く時間が短くなることではないのか?その上謝罪のためにテンションも落としてその時間分演奏も削ってしまうのでは、まさに本末転倒ではないか?

ではそんな状況をひっくり返せるようなことが、自分にできるのだろうか?そんなふうに考えていた時「あった!」と思いました。コロナ禍で獲得した自分の新しい技術「ライブ配信」という手段。

行動開始

機材などの用意はまったくないので、持ち合わせのものだけで何とかならないかをまず考えました。YouTubeを使ったライブ配信は、チャンネル登録者が1000人いない自分には不可能。しかしオンラインレッスンで使っているラインならば、ビデオ通話の形を取ることでライブ配信と同じことができるではないか。

自問自答

揺れる車内での演奏はなんとかなるのだろうか?いやいやそれも含めてライブ配信の良さだろう?いつかのオンラインレッスンのときのように、楽器の音がノイズとして消されてしまわないだろうか?やってみなきゃわからないし、それも初挑戦の醍醐味じゃないか。だめなら下手なトークで必死につなぐところを見て笑ってもらえば、それでいいじゃないか。
面白いほど後ろ向きな自分と前向きな自分の対話があり、決心は固まってきました。

手段とそれに伴う考えがまとまって来た頃には、反省でテンションが下がるどころか逆に盛り上がってきました。
心の中は「やってやるぞ」という気持ちに満たされていました。これならば会場で待ってくださっているお客さんにも、待たされている感覚を和らげるどころか、音心が会場に迫ってくる様子を一緒に楽しんでもらえるではないか。まるでオセロの終盤で大逆転をして行くような気持ちになっており、マイナス思考の塊だった自分の中に、こんなにも前向きな力が潜んでいたことに誇らしさすら感じてきていました。

写真 車内配信現場の様子

車から自分のスマホの電源をもらい、えんじろうは後ろの席へ乗り換え、助手席の背もたれにオカリナケースをくくっていた帯を巻き付けることでスマホを固定しました。右手を伸ばせばオカリナケースがある状態を準備し、たまたま今日聞きに行くからねと言ってくださった生徒さんに頼んで、ライン通話を受けてもらうことにしました。

配信開始

おそらく演奏開始時間の15分過ぎぐらいからでしょうか?ライン通話を使ったライブ配信を開始しました。現状を説明して、到着するまでの間えんじろうの木製オカリナ独奏会をすることを宣言。
ダイレクトに襲ってくる車の振動にもめげず、新しく手に入れたばかりの木製オカリナを使った演奏をお届けしました。2曲目の演奏を終えた時に、会場からの拍手が届きました。なんだかとても温かい気持ちにさせてもらうことができました。相方に移動状況お尋ねつつ、会場に到着するまでの間に数曲秋の曲を演奏しました。当然思いつきでやったことなので、ぶっつけ本番です。
車の振動による音のブレ、運指のミスによる音外しなんかも多数ありましたが、それも含めて楽しんでいただけたと思っています。

そうこうしているうちにようやく会場に到着。本当に取るものだけ取って販売物も記録機材も一切ほったらかしですぐさま演奏の準備を整えました。会場に到着した際に皆さんからいただいた拍手が、本当に救いになりました。

本番の様子

ビデオ通話にも協力してくださったS氏からご提供いただいた写真とともにお届けします。

写真 演奏中

今年のグースさんでは2回演奏をしました。春の演奏はハーフアンドハーフと題して音心とえんじろうの時間を半分ずつでご提供しましたが、結果的に今回のライブは機械を経由した配信ライブと本当の空気を伝う生音ライブのハーフアンドハーフという形になりました。

生演奏の自由度

生演奏の大きな利点の1つは、その自由さです。マイクの位置に縛られずにすむので、音の響きや楽器に合わせて好きな位置に移動することができます。
楽器を持ち替えたタイミングで後ろの空間に下がって見たり、音の伝わり方が変わるように右や左に移動してみたり、常に何かを変化させてその結果をフィードバックする。まるで実験でもするかのようなわくわくした気持ちのままで演奏に臨むことができました。
制約だらけの配信をやった直後だからこそでしょう、いつも以上にこの自由度を満喫できたと感じましたし、その姿を届けられたのではないかと思います。

調律済みのピアノ

実は今回のライブの直前に、グースさんがピアノを調律してくださっていました。お客様のために最善を尽くしてくださるグースさんに感謝しています。だからこそ冒頭の時間を削られてしまった我々も、このピアノの音をたくさん届けたいという思いがありました。
そんな理由から、トークは最小限にして用意して来た演奏曲をすべて演奏するということに注力しました。

写真 ピアノソロ中

最後まで

とんでもなく時間的にご迷惑をおかけしてしまった我々でしたが、お客さんは最後まで聴いてくださって本当にありがたいなと思いました。
そしてそんな温かなグースさんでは、また来年もライブをさせてもらいたいなと改めて思ったのでした。

同時に今回のハプニングの際、本来の目的である「お客さんの時間を大切にしながら、来てよかったと思えることをする」という部分を見失わずにいられたことが、最大の成果だったと感じました。
えんじろうはこういうとき、よく諦めて心のなかで投げ出してしまうこともありましたから、良い意味でしつこく食い下がれたと思ってます。

グースくん

今回はお店に飛び込んでそのままライブをスタートさせたので、いつもステージに上がってもらっていた植物もそのままに始めてしまいました。途中で気が付いて前に出てもらったのですが、いつも演奏前に挨拶していたマスコットのグースくんも見つける時間がなく、ライブのあとでようやく挨拶できたという感じでした。

写真 奥の部屋のグースくん
写真 グースくん拡大

この日はスムージーの売り上げもよかったみたいで、自分が注文する時には2種類になっていました。僕はバナナのスムージーをいただきました。とても久しぶりだったのでなおのこと美味しかったです。

写真 バナナとパインのスムージー

ただいまの楽器たち

この日活躍してくれた楽器たちです。新しい仲間も含め、総勢10本の楽器が登場しました。

写真 活躍の楽器たち
写真 新たな仲間

その中でも右上の大きな木製オカリナが、実は1年前まで住んでいた家の庭に勝手に植えて、切らなければいけなくなってしまったヤマグリの木でできたオカリナです。つい先月末に到着したばかりで、今回初出演です。この日のために一気に集中練習をして、なんとか2曲オリジナル曲を歌ってもらうことができました。

写真 空に映える山栗
写真 反映した山栗

6、7年ほどの付き合いだったと思いますが、最後の3年くらいはこの季節になると葉を落とすのを待って、ハサミを使って背が高く延びすぎないように調節するようなこともしていました。とても尊敬をしていた木だったので、せめてそれが笛の形で戻ってきてくれたことがとても嬉しいです。だからこそ一般的なオカリナの運指と違うこの楽器も、頑張って慣れることができたのだと思います。
この日はそんな栗の木の音色を皆さんにお伝えすることができてとてもうれしい気持ちでした。

感謝

暖かく待っていてくださった皆さん、最後まで聞いてくださった皆さんにとてもとても感謝でございます。そして成功にたどり着くように協力してくださったグースさんやS氏、ありがとうございました。



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