『シェフ ~三ツ星フードトラック始めました~』
話の大スジとしては。名のあるシェフである主人公が、イザコザで店をクビになる。のち、夏休み中の息子と、慕ってくれてる弟分の三人で、フードトラックで旅しながら移動販売する。というシンプルな話。
思ったことをいくつか。
・とにかく陽気。出てくる人も空気もからっとしている。全然泣かせようとしてる感じが無いのが良い。
・出てくる食いもんがめちゃくちゃウマそう。どんなグルメ番組見るよりも、なんかヨダレもんの映像だった。キューバサンドなるもの、いつか食ってみたい。
(監督いわく、「映画は「味わう」ことができないので、映像と音楽で「味」を表現した」だそーです)
・全編通して音楽がすごく良い。ラテン音楽が、陽気な雰囲気にすげー合ってるし、劇中で演奏しているブルースバンドは、めちゃかっけーじゃねーかと思ったら、実際にいる有名な若手ブルースマン(ゲイリー・クラークJrて人)がご本人登場していたのだった。どーりで。
・息子はまだ子供ではあるが、男三人でのトラック旅なんて、男にはたまらないシチュエーション。バカみたいな卑猥な歌とか歌って。息子目線で見れば、こんな楽しすぎる夏休みあっていいんか、ってことで確実に一生心に残ることでしょうプライスレス。
・たまにぶっこんで来る真面目さ。「中途半端な料理を客に出すのか?」とか「料理でお客さんを笑顔にすることがパパにとって最高の喜びなんだ」とか、料理人として、父親としての真っ当な言葉を息子に伝えようとするのがね。誰が聞いても当たり前なんだけどなんかいいんすよね。
・ダスティン・ホフマンがチョイ役で出てるんだが、これは『クレイマークレイマー』へのオマージュってことか?過去の名作を踏まえたうえで、現代のクレイマークレイマー。ダスティン氏も認めたでしょうこれは。文句なしっす。
・無理矢理ツッコミ所を探すとすれば、元嫁が叶姉妹的にファビュラスすぎやしませんか、して今の彼女がスカーレット・ヨハンソンて。料理上手いからってモテすぎやしませんか、というところをやっかみ込めて。
しっかし。血生臭さの一切無いヒューマンドラマで、見る人選ばず、茶の間で家族で見れて、こんなすんばらしーデキの映画はそうそう無い。
水野晴朗になってしまった顔を戻して、堺正章顔にして言おう。星みっっっつ!
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