出口に向かって。
この手に留められる砂の量は
本当に本当に僅かだ。
時は無常な程一方通行で
日々を少しずつ塗り替えて進んでいく。
どれだけ永遠を願っても
それだけは揺らがない。
なぜならそれが生きるということだからだ。
それが生から死に向かうプロセスだからだ。
私達は常に選ばなければいけないし
誰かの手のひらの上にいると私は思っている。
親の手から零れた砂粒同士、私達はお互いにしがみつくように暮らしている。
大きく欠けた致命傷を
補い合い、埋め合って暮らしている。
二人だけの暮らしはある程度気ままで、自由な反面
誰も私達を知らなければ認知しない。
そろそろ自分がなんなのか、どこまでが彼でどこまでが私が分からなくなってきた頃。
流石ににマズいと思って
様々な方法で交流手段を取り始めたのが数年前だけれど。
どうやら疲れてしまった様だ。
プツンと今まで何がそんなに必死なのか分からなくなった。
2人だけの世界。
それでもいいのかもしれない。
仮にこのビー玉みたいな小さな世界ですら
真っ二つに割れようものなら
私は流石にもう
腹を決めるだろうし。
誰も私達を知らない
誰も私達に興味もない
何かあったら
一緒に倒れよう。
誰にも知られず
土に還ろう。
笑って頷いてくれるだろうか。
きっと寂しそうに笑うんだろうな
ごめんね、人間へたくそで。
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