外より熱い君との戦い
今年一の猛暑だとか、なんとか
よくニュースで取りざたされてますけども
だからといって、涼しいところにいるだけでもよくないらしく
よく頭が痛くなってしまうんです
水分補給って大事ですね
朝起きた時
どこか気持ち悪さを感じるのが夏の嫌なところだ
寝汗というのもあるだろうし
気温の高さのこともあるだろう
夏というのは、どうしても好きになりきれない
◯:ふあ…ぁ
朝ごはん作りましょかね
だだっ広い一つのベッドから降りて
僕はキッチンへと向かう
ブランケットが綺麗に畳まれたままなことを見ると
今日もあっちかな〜、なんて思ったりしながら
◯:さてさて、今日は何にしますかね
朝ごはんっていうのは、結構大事だと姉に教えられた
夏だろうが冷してばっかりだとダメだから
しっかりと温かいものを食べろと
◯:まあ、だからってドリアとかそういうの作る気はさらさらないけど
うちは毎日、特別なことがなければ朝ごはんは和食だったからか
おもむろに冷蔵庫から味噌を取り出した
◯:豆腐とかあったけ…
てか、油揚げないとなぁ
グチグチ独り言呟きながら、キッチンで料理の準備をしていると
ガタガタと上から音が聞こえた
起きたんだろうか
◯:早めに作らないとかな?
機嫌悪いと困るし
うちのは結構朝の機嫌が極端で、よければハイテンションだし、よくなけりゃズーンとしていて話しかけづらい
まあ、そういうすぐ行動とか表情に出るところが好きなんだけど
◯:…おかず考えなきゃじゃん
惚気ている場合じゃないぞ、と頬を叩いて喝を入れ
再度集中する
朝ごはんは幸い、起きてくる前に完成した
□
蓮:おはよう〜
◯:おはよ
今日はご機嫌な日らしい
朝から笑顔がとても輝いている
◯:じゃ、盛っちゃうね
蓮:ん、お願い
…あ、ご飯ちょっと少なめにしといて
洗面所へ向かいながら、蓮加にそう言われたので
しゃもじで少し減らした
最近、何故かご飯の量を気にしているらしく
ダイエットじゃないとか言ってるけど、少し心配だ
元から食が細い方なのに…
◯:まあ、あんまりそういうのに口出しするのもね…
蓮:お、美味しそう〜
蓮加が帰ってきたので、僕は自分の椅子に座って
◯:ほんじゃ、いただきます
蓮:いただきま〜す!
ご飯が終わって、二人でのんびりリビングで過ごしていると
不意に蓮加が手でに向かって風を送らせだした
その行動に僕は目ざとく反応した
というのは、すぐさま自分の椅子を少しずらしてエアコンの風が一番当たりやすい場所に置いたんだ
そして、勿論エアコンをつける
蓮:あ、やられた
◯:へへ〜んだ
蓮:さては、我慢してたな?
からかうように笑いながら蓮加は言う
その表情は、いつもより余裕がある
◯:今日は随分と冷静というか、余裕そうだね
いつもなら飛びかかってくるのに
蓮:ふふ〜んだ
私にだってね、対策があるんだよ
というと、どこから持ってきたのかマジックハンドみたいなもので僕の手元にあるエアコンのリモコンを強奪していった
◯:あ、ずるい
蓮:先に何も言わず場所どりする◯◯がいけないんだよ〜だ
舌を出しながら蓮加はエアコンの風向を少し上げて自分の方へ風が直接来るように変えた
蓮:どう?これで私の勝ちじゃない?
勝ち誇る蓮加に僕は不敵に微笑み
◯:そっちがその気なら、奪い返してやる!
立ち上がって蓮加の持つリモコンを取るために鬼ごっこが開始された
といっても、そこまで広いリビングではないから
ものの10分くらいでお互い力尽きる
暑いし、疲れるし
あと、壊しちゃいけないのとかあるし
◯:やりよるの…
蓮:そっちこそ…
はぁはぁ…お互い言いながら膝を持って言葉を交わす
こういう時に、いつもは聞けない質問をすると案外答えてくれたりするので
◯:そういや、なんでご飯減らしてるの?
と聞くと
蓮:久しぶりに…◯◯と海行きたくなって
水着着た時にだらしなくないように…
と答えが返ってきた
その言動がとても愛おしくて愛おしくて…
僕は蓮加に抱きついていた
蓮:うわっ、なに!
暑い!暑いんだけど!
◯:可愛いな〜って
そんなことしなくても大丈夫なのに
蓮:あんたが大丈夫でも気にするの!
他の人の目とかあるじゃん
◯:そんなもん、僕が盾になって誰にも見せないから大丈夫だよ
振りほどこうとする蓮加に対抗して、僕は力をより強くして抱きつく
こんなことを繰り返していると、蓮加が諦めたように力を抜き
蓮:全く…ただでさえ暑いのに…
ここまで熱くさせるな!
と言ってふんと顔を僕から見えないようにした
ただ、耳が赤くて
どうしてそうしたのかだなんて、火を見るよりも明らかだった
◯:全く、ほんとに可愛いな〜蓮加は
やっぱり蓮加が好きだなと思いました
蓮:…あのさ、汗付くのだけは勘弁してよ?
◯:はい、すみませんでした…
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