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初めて会った日から何周か回って恋をした 3

二人の性格が垣間見えた幼稚園の1日から少し時は過ぎて


ある日の15:00すぎ


蓮加:きょうね、おともだちとおすなばであそんだの



蓮加とその母が、家に帰る途中だった



蓮母:あら、そうなの
  どんなことして遊んだの?


蓮加:まずね、おすなでみちをつくったの
  でね、おやまみたいになったおすなでいえとか、ビルとかつくったんだよ


蓮母:すごいわね
  街を作ったのね、蓮加は


蓮加:そう!
  れんかまちをつくったの!



元気な声が住宅街に広がる中



通り沿いの公園を見て、蓮加は立ち止まった



蓮母:どうしたの?



蓮加の母が聞くと



蓮加:◯◯くんがいるの



目線の先には、ひたすらにサッカーボールを追いかけている◯◯がいた


近くに保護者の影はなく、1人で来ているように見える



蓮母:◯◯くん…って前に蓮加の手当てしてくれた子?


蓮加:そう!
  あの◯◯くん


蓮加の目は、それまでよりも輝きを増し

クリンクリンになっている



蓮加の母は、蓮加の小さくて幼い

可愛げのある恋心を感じとった



蓮母:ご挨拶していく?



蓮加:してく〜!



ちょこちょこと公園の車止めの横を通り抜けて、◯◯の元へ走っていく蓮加



蓮母:転ばないようにね〜
  ふふふっ


蓮加の母はすぐには公園には入らず、2人の動向を眺めてみるつもりらしい


蓮加:は〜い!


蓮加はそのまま、サッカーボールに夢中の○○に近づき


蓮加:こんにちわ!


と大きな声で挨拶をした


すると、○○はボールを足で止め

顔を上げて


○○:あ、れんかちゃんだ
  こんにちは


と挨拶を返した


蓮加:サッカーすきなの?


蓮加はボールを指さしながら言った


○○:うん、サッカーすきだよ
  れんかちゃんはすき?


蓮加:れんかは、見てるのが好き!


○○:そっか、
  じゃあ、見てて!


○○は蓮加の

見てるのが好き

という言葉に得意げになって、ボールを蹴りながら離れていった


蓮加:なにするの〜!


○○:おもしろいこと!


蓮加に聞かれても、何とは言わない○○


それを微笑ましく見守る蓮加の母


○○:いくよ!


○○はドリブルをしながら蓮加の方へと走り出した


そして、少ししたところで


○○:そ〜れっ


つま先でボールを頭の上まで切り上げて


○○:ほっ


頭でリフティングしながら、歩く


蓮加:すご〜い!


○○:まだまだ


蓮加の方を、少しだけ見た○○はボールをまた落として

今度はつま先から膝くらいまで蹴り上げて


○○:これがほんとの、リフティングっ


3回ほどつま先でリフティングを披露した


蓮加:すご〜いっ!


後ろへ蹴り飛ばしてしまって、木々の方までボールを探しに行った○○に言った


○○:んっ、あった


ボールを見つけて、胸元に抱えた○○が帰ってきて


○○:面白かったでしょ!?


蓮加:面白かった!


○○:よかった!


二人は笑い合っていた


そこへ


蓮母:蓮加、面白そうだったわね


蓮加の母がやってきた


○○:こんにちは!


蓮母:こんにちは


○○からの挨拶を返しながら、蓮加に手招きする


蓮加:○○くんすごいでしょ!


蓮母:すごいわね
  沢山練習したってことがよくわかるわ


○○:ありがとうございます!


笑顔で答えた○○に、笑顔を返した蓮加の母は

あたりを見回して


蓮母:そういえば
  ○○くん、ここには一人で来たの?


○○:はい、ひとりできました
  いえがちかいので


蓮母:あら、そうなのね
  ならとりあえず一安心


蓮加:ねぇ、れんかも
  ボールやってみたい!


母の隣にいた蓮加が、ボールを指して突然言い出した

蓮母:蓮加
  あんまり無茶を言わないの


蓮加:やりたいの!


蓮加の母は、色々と危ない予感がしたため止めようとしたが

蓮加も一度決めたことはやらないと納得がいかない性格のため引かない


蓮母:蓮加
  ○○くんがやってるんだから、

○○:いいよ!
  ほら、こっち


蓮加の母とは裏腹に、○○は快く蓮加にボールを渡した


蓮加:やった〜!
  ありがとう!


受け取った蓮加は、ボールを軽く蹴り出した


蓮母:はぁ…
  こうなるとほんとに譲らない子なんだから


ため息を付きながら、蓮加の母は見守っている


一番の心配は、ボールを無くしてしまうこと

その次は、砂やなんかで汚れること


蓮加のおてんばぶりには、毎度手を焼くようだ


蓮加:ん〜、なんかうまくいかない…


○○のように思った方向にいかないのが、少し不満のようで


ヤケクソになりながら蹴っている


○○:くつのね、ここでけるとうまくいくよ


○○はかがんで、蓮加のつま先の当たりを指しながらアドバイスした


蓮加:ここ?


思いっきり蓮加が蹴ると


ボールが高く、木の方まで飛んでいった


蓮母:やっちゃった…


蓮加の母は、恐れていた事態が来てことでふらついてしまった


○○:おぉ、すごくとんだ


○○はボールを目で追い、木の方まで走っていった


○○:ん、あそこか…


木の枝に引っかかっているボールを見つけると


踏み台もなしに、幹を登り

枝を目指して上へといった


蓮加:すごい!
  おさるさんみたい!


蓮加は○○を追って木の下まできて、木を登る○○に向けて言った


○○:へへへ、すごいでしょ


蓮母:大丈夫?


それよりも○○の身が心配な蓮加の母は、○○に聞いた


○○:だいじょうぶです!
  とうさんとよくしてるので


蓮母:お医者さんのお父さんと…


蓮加の母は、○○の父のギャップを想像しながら感じていた


○○:よしっ、
  取れたよ〜


ボールを蓮加の足元に落として、そのまま○○は落ちてきた


蓮母:うわっ!


それに驚いたのは蓮加の母で


万が一骨でも折ったら…


と見ながら思っていた


蓮加:ありがとう!
  じゃあ、もういっかい!


笑顔の蓮加は元いたところまで走り出した


しかし、蓮加の母は知っている


蓮加は、自分がやって想像以上に楽しかったものは

何度でも繰り返しやる

ということを


蓮母:蓮加
  そろそろ帰るわよ


蓮加:え〜、まだやりたい!


蓮母:戻らないと、おやつがなくなるわよ


蓮加:…は〜い


渋々おやつのために、ボールで遊ぶことを諦めた蓮加は

母と手を繋いで


蓮加:ばいばい!


○○:ばいばい〜!


○○に手を振りながら家へと帰った




○○:あれ、いいね
  いっぱいとぶ


ひょんなことから、○○はシュートを開発する糸口を見つけた


というのはまたまた話が進んでからわかること


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