見出し画像

藍藝彩日さん 藍染について1.0

藍に染まる──千年続く「青」が未来を照らす

日本の風景の中に広がる、美しい青。
空でも、海でもない──それは「藍染(あいぞめ)」が生み出す、深く静かな青。

この青は、ただの色ではなく何度も布を染め、重ね、織りなされてきた日本の“時間”であり、人々の手が紡いだ“想い”そのものだと僕たちは思います。
藍染が「ジャパンブルー」と称される理由は、その美しさだけではない。
染め上がる布には、作り手たちの物語が刻まれているからではないでしょうか。

藍は「育てる」もの

藍染の工程は、ただ染めるだけではありません。
藍は“生きている”。
藍草(タデアイ)を育て、その葉を乾燥させ、発酵させて「蒅(すくも)」という染料を作る。そこからさらに、水と灰汁(あく)を加えて染液を仕込む

藍藝彩日(らんげいさいじつ)さんは、藍染をこう語っていました

「藍は手をかけた分だけ、応えてくれるんです。」

湿度や温度、気候の変化に敏感な藍液は、まるで生き物のように日々表情を変える。作り手はその“声”を聞き、対話しながら染めを重ねる。
藍液が布に染み込み、空気に触れ、酸化することで美しい青が現れる──その一瞬の“化学反応”が、藍染の神秘だと感じました。


布が、青に染まる瞬間の魔法

布を藍液にくぐらせ、空気に触れさせる。
最初は緑がかった色だった布が、しばらくするとじんわりと青に変わる。
この変化の瞬間を見たことがありますか?

染めては乾かし、また染める。
何度も繰り返すことで色はどんどん深くなり一度染めただけでは決して出せない「奥行き」が生まれるそうです。

この積み重ねこそが、藍染の持つ強さであり、美しさでもある。

藍が日常を彩る

藍染の魅力は、その色合いの変化だけではなく藍には抗菌効果や防臭効果があるそうです。
「暮らしに寄り添う布」として、古くから藍染は人々の生活を馴染んできました。

ストール、ハンカチ、エプロン──
藍で染められた布は使うほどに風合いが増し、自分だけの色に育っていく。

「自分だけの青に育てる」

これが藍染が愛され続ける理由のひとつだ。

藍染を未来へ繋ぐ

しかし、藍染を取り巻く状況は決して楽観視できない。
藍染に限らず、日本の伝統工芸は後継者不足や需要の減少という課題を抱えている。
藍藝彩日さんも、藍染の現場でその現実に向き合っている。

「伝統は守るだけではなく、育て、広めていくものです。」

藍染の青がこれからも続いていくために、今私たちにできることは何か?
それは、藍染を「知ること」「触れること」「使うこと」ではないだろうか。

藍に触れてみませんか?

藍藝彩日さんが行うワークショップでは、自分の手で藍を染める体験ができます。
布を染め、青へと変わる瞬間を目の当たりにしたとき、藍染が単なる技術ではなく、人と自然、そして時間が織りなす「物語」であることをきっと感じるでしょう。

藍染は未来へと繋がる。

あなたの暮らしに、一枚の青を迎えてみてはいかがだろうか。

縁-enishi-」が紡ぐ、日本の伝統の未来

藍藝彩日さんのように、日本の伝統技術を未来へ繋ぐ作り手は全国にたくさんいます。
しかし、その技術や想いを知る機会は少ないのが現状です。

私たち「縁-enishi-」は、そんな伝統工芸や文化を守り、未来へ繋げるために活動しています。
職人たちの物語を発信し、実際に体験できる場を作ることで、「日本の美しさ」をもっと身近に感じてもらうことが目標の一つです。

藍染をはじめ、日本の伝統が織りなす世界を、ぜひ「縁-enishi-」で一緒に覗いてみませんか?

藍藝彩日さんInstagram
縁-enishi-公式HP
縁-enishi-公式Instagram
撮影:妹尾 光星

いいなと思ったら応援しよう!