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出世したい、でも評価されない…どうしたらいい?
同僚や後輩があなたより先に出世した時、「なぜあいつが…」と思ったことはありませんか。それはあなたの心に「私の方が評価されるべきだ」という強い承認願望があるからです。
この「認められたい」という願望が満たされないと、「私の貢献度や本当の実力を何も分かっていない」と批判し、会社に不満を抱き、組織や上司を批判するようになります。
出世した人を「人望のないあんな奴に上司が務まるわけがない。大きなミスをすればいいのに」と無条件で嫌ってしまうことさえあるのが人間です。
このようなネガティブマインドになると、どんどんマイナス思考になり、周りの人の嫌なところばかりが目に付くようになります。
そんな時は、臨済禅師の言葉を思い出してみてください。
「外に向って、傍家(ぼうけ)に求過(ぐか)して脚手(きゃくしゅ)を覓(もと)めんと擬(ぎ)す。錯(あやま)り了(おわ)れり」
「傍家」とは脇道のこと、「脚手」とは手掛かりを求めること、「擬す」とは何かをしようとすること、です。つまり「答えや理由を相手に追い求めてはいけない」という意味です。
出世のチャンスを与えなかった組織を批判したり上司の人柄などをやり玉にあげ、出世できなかった自分を正当化すること、臨済禅師はきっぱりと「それは大間違い」と全否定しています。
臨済禅師のこの言葉から、私たちは勝負する相手がだれかということを再確認することができます。
どんなに頑張っても他人の考えや評価を変えることは、「外に向って、傍家に求過して脚手を覓めん」とすることであって、自分の力ではどうすることもできません。
しかし他人による評価を変えることはできなくても、自分の考え方は変えることができます。自分の心を変えるために、今日と昨日の自分を競い合わせて、一日一日どれだけ成長しているかを省みるようにすると、少しずつ職場での意識が変わっていくはずです。
例えばプレゼン資料を作成をする時、ついできるだけ多くの情報量を伝えたくて、たくさんの情報を詰め込んだ結果、字数も内容も分かりずらくなった経験はないでしょうか。そういう時は、きっと無意識のうちに「私は誰よりも多く知識を有しているし、問題解決方法もたくさん知っている」と、ライバルよりも優れている自分を前面に出している時です。
むしろ前回と今回のプレゼンでどれだけ自分が成長できるかを意識し、聞き手が求めている数字や結果は何かという視点でを資料を作るようにすれば、きっとあなたの評価は高くなり、また周りからのリスペクトも上がっていくことでしょう。
他人と自分をいつも比較して競争している限り、心は安らぎません。
『法句経』の言葉です。
勝つ者は怨みを受く。負くる者は夜も寝られず。
勝つと負くるを離るる者は寝ても覚めても安らかなり。