英語の授業で自己表現を育む:スピーチがもたらす可能性
英語の授業は、常に選択の連続です。子どもたちは「What food do you like?」「Where do you want to go?」といった質問に答えることで、自分の好きなものや考えを表現し、他者と向き合う機会を得ます。この過程は、ただの語学学習ではなく、自己表現や他者理解を深める絶好の場です。そして、私は6年生に「スピーチ」をお勧めしています。
底辺校での現状とスピーチの有用性
例えば、底辺校では、会話文の暗記が難しく、また「決める」ことも苦手なため即興での会話はうまくいかないことがあります。スピーチは事前に原稿を準備し、発表の準備ができることで、子どもたちのハードルを下げると同時に、教師としてもサポートしやすくなります。
「友だちを知る」という目標が生む学び
私は授業で「クラスメイトを知る」という目的を掲げています。この目標は、子どもたちが「自分を伝える」モチベーションを引き出し、お互いの理解を深めるきっかけを作ります。たとえALTの参加が難しい場合でも、身近な友だち同士の交流は、英語の実践的な使い方を学ぶ場として十分に価値があります。
温かい雰囲気が発表を支える
スピーチを成功させるには、「伝えたい」という気持ちと、それを受け取る「安心感」が重要です。話し手が自信を持てるよう、聞き手の表情や態度、拍手などで温かい雰囲気を作る工夫をしています。これにより、子どもたちは安心して自分の思いを伝えられるようになります。
オリジナリティを尊重した表現を促す
教科書の例文を使った表現では、内容が似通いがちです。しかし、「あなたにしか語れないことを伝えよう」と投げかけることで、子どもたちの個性や心が伝わるスピーチが生まれます。例えば、「My Best Memory」の単元では、自分だけのエピソードを考え、オリジナリティあふれる内容に仕上げることを大切にしています。
評価基準の透明性と柔軟なサポート
スピーチを評価する際は、事前に基準を共有し、子どもたちが挑戦しやすい環境を作っています。また、原稿を書く際に例文を提供したり、原稿用紙や白紙を選べるようにすることで、表現の幅を広げるサポートを行っています。
英語の授業が、単なる語学学習ではなく、自分を知り、他者とつながる喜びを感じる場となるよう、これからも工夫を重ねていきたいと思います。