~ビジネスの必需品としての英語~④2020年代 #社内公用語英語化 #企業と英語
社内公用語英語化の歴史をたどる
改めて、シャープの「2023年に社内公用語を英語にする」という発表は、何を意味しているのでしょうか?
事業拡大は《グローバル化の本格展開》一択に
(社内公用語英語化を予定している主な企業)
・2023年:シャープ(グローバル人材の育成加速、海外におけるブランド向上 など)
・2024年:マネーフォワード ※エンジニアリング組織限定(外国人エンジニア増加、海外開発拠点増加 など)
シャープは親会社が「鴻海精密工業」(台湾)でもあり、社内公用語英語化が発表された経営説明会でも、社長兼CEOに就任した呉柏勲氏は中国語・英語を織り交ぜながら発表されていました。照準をグローバルに合わせた企業経営、事業展開において、日本語という前提はなくなっていくのかもしれません。
マネーフォワードのエンジニアリング組織は、ベトナムに開発拠点を持っています。“社内”や“組織内”と言えど、物理的に国境を超えて運営していること、そこに集う人材が多国籍であることを加味すると、公用語として英語が採用される理由は明らかです。
社内公用語英語化の効用は?
先んじて社内公用語英語化に踏み切った企業では、その実施によってどのような成果が出たのでしょうか?
【外国人材スタッフの増加】は、企業経営の施策としての社内公用語英語化による成果と言えそうです。HENNGEのように“英語を使える企業”というイメージがつくられたことで、企業ブランドが強化され、採用活動に良い影響が生まれているという好循環の源泉になったとも考えられます。
また、社内公用語英語化はインパクトの大きい変化だけに、日本人サイドからするとネガティブに受け取られることがあります。数はそこまで多くないとしても、英語を理由とする離職がゼロではないようです。
その一方で、社内公用語英語英語化を進めてきた企業では「英語でビジネスができるようになることで、日本人スタッフにとってもキャリア形成の可能性が広がった」という声も聞かれます。人的資本経営に向けた情報開示などが求められる時代背景もあいまって、国籍を問わず英語でビジネスができる人材の育成は今後さらに重要性が増していくかもしれません。そうなれば、社内公用語英語化の波はさらに広がっていくでしょう。
社内公用語英語化の第2波では【話す力】がさらに重要に
このシリーズでは、20年以上の年月にわたり、日本企業における社内公用語英語化の変遷をたどってきました。その流れのなかで、英語は「テストに向けて勉強する学習項目」から「ビジネスで実践的に使う手段」へと変化を遂げています。
英語のスキルについても、多国籍スタッフのコミュニケーションを円滑に行うため、外国人材採用によって労働力を確保するため…など「読む・聞く」から【話す力】へとシフト。今後はさらにその傾向が強まっていくと考えられます。
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