「蛙化」って英語で何?(Part1:そもそもどういう意味?)
こんにちは!あき@日英通訳者です。
前回の記事にも書いたのですが、講談社Webマガジン『コクリコ』さんでコラム連載をすることになりました。記念すべき第1回目のタイトルは
「蛙化現象」「ガチ勢」日本の若者言葉は英語でなんていう?【学校でも塾でも習わない ワザあり英語】です。いいですね~若者言葉。なんだかワクワクします。
でも、この「蛙化現象」って一体何?オタマジャクシがカエルになること?なんて思ってる方もいるかもしれません。
いいえ、違うんです!最近日本の若者の間で使われているという「蛙化現象」という言葉は次のように定義されます。
え~?!何でそ~なるの?と思っている方もいるかもしれませんが、この表現の元になっているのはグリム童話の『かえるの王様』。「醜いカエルが実は魔法で姿を変えられていたハンサムな王子様だった」というのが元のストーリーで、「蛙化現象」はこの逆、つまり「ハンサムで素敵な王子様だと思っていたら実は醜いカエルだった」ということなんですね。
この「蛙化現象」という言葉(カエルの絵文字だけでこの意味を示すことも?!)、若者の間では非常によく使われています。
実は私、ABEMAで配信されている『今日、好きになりました。』の「まうバオ」と呼ばれるカップルが好きで、とあるファングループSNSに参加しているんです。そこでは高校生から大学生の若者たちが24時間ひっきりなしに「まうちゃんのカラコン可愛い」だの「バオくんのTikTokの音楽がエモすぎる」だの、推し(ひいき)の出演者に関する好意的な情報を交換していて幸せ~な気持ちになれるのですが、推し以外の出演者に関する投稿では頻繁にカエルの絵文字が登場します。
「○○くんの今日の服、体育の先生みたい(カエルの絵文字)」とか「△△くんのコメントちょっとキモイ(カエルの絵文字)」という風に。若い人たちは服装やコメントのちょっとしたことが気になって蛙化するんだな~、私も気を付けよう(何を?)と思う今日この頃です。
ちなみにこの「蛙化現象」という言葉、最初に使われ始めた時の定義は今とは違っていたとのこと。
私の大好きな小説『舟を編む』(三浦しをん作)に「言葉は生き物である」という一文があります。まさにその通りで、言葉は生き物のように年月とともに変化していきます。その言葉が意味する内容も使われる場面もどんどん変わっていくんですね~。それにしても「蛙化現象」という言葉、2004年に使われ始めてまだ20年しか経っていないのに、もう意味が変わってるんですね。驚きです。
さて、次回の記事では「蛙化現象」を英語では何というのか?について書きたいと思います。「ある出来事をきっかけに、好きな人への好意的な感情が一瞬で冷めてしまうこと」の意味の方の「蛙化現象」についてです。
お楽しみに~!
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