
ロナルド・リードさんの投資哲学に学ぶ長期投資の重要性
皆さんはロナルド・リードさんという方を聞いたことありますか?
Wikipediaには以下のように紹介されています。
『ロナルド・ジェームズ・リードは、アメリカの慈善家、投資家、清掃員、ガソリンスタンド店員である』
ロナルド・リードさんはバーモント州の田舎の農家に生まれました。
家が貧しく交通費がなかったため、高校まで6.4kmを徒歩やヒッチハイクで通学し、家族で初めて高校を卒業したそうです。
第二次世界大戦中にはアメリカ陸軍に入隊、イタリアで憲兵として従軍し、1945年に名誉除隊しました。
第二次世界大戦後、ロナルド・リードさんはガソリンスタンドで接客と自動車整備の仕事を25年間務め、その後は百貨店のJCペニーで清掃員として17年間パートタイムで働いていました。
38歳のときには2LDKの家を1万2000ドルで購入し、生涯そこに住み続けたそうです。
友人たちは、彼の一番の趣味は薪を割ることだったと言っていたそうです。
田舎の地味な清掃員だったロナルド・リードさんが2014年に92歳で亡くなったとき、彼の死は、国際的なニュースになりました。
彼は質素な生活と堅実な投資戦略によって約800万ドル(現在のレートで約12億円)の資産を築き、死後にその大部分を地元の図書館や病院に寄付したことで大きなニュースになりました。
ちなみに同じ年に他界したアメリカ人は281万3503人で、死亡時に800万ドル以上の純資産を持っていたのは4000人にも満たず、ロナルド・リードさんはそのうちの1人でした。
ロナルド・リードさんが12億円もの資産を築いた理由
ロナルド・リードさんは遺書に、義理の子どもたちに200万ドルを遺産として与え、地元の病院と図書館に600万ドル以上を寄付すると記していたそうです。
彼の知人たちは、こう思ったそうです。
『清掃員だった彼が、いったいどこでそんな大金を手に入れたのか?』
宝くじが当たったわけでも、両親の遺産があったわけでもなく、彼は若い頃から節約してお金を貯め、それを優良株に投資していただけでした。
数十年が経過し、小さな投資額は複利効果で800万ドル以上に膨れあがりました。
そんな普通の清掃員だったロナルド・リードさんはたったそれだけで、莫大な資産を寄付する慈善家になりました。
ロナルド・リードさんが保有していた優良株のポートフォリオ
ロナルド・リードさんのポートフォリオは、彼の「守り型」の投資スタイルを反映した優良銘柄で構成されていました。
以下は、彼の代表的な保有銘柄になります。

この中で日本人にも馴染みにある銘柄で言えば、日用品メーカーのプロクター&ギャンブル(P&G)、クレジットカード会社のアメリカンエクスプレス、医療機器メーカーのジョンソン&ジョンソン辺りではないでしょうか。
こうした優良株を50年以上にも渡って保有し続けて、優良株から生まれる配当金の再投資を継続した結果、莫大な富を築くことに成功しました。
ロナルド・リードさんの投資哲学から学ぶ長期投資の重要性(まとめ)
ロナルド・リードさんの驚くべき資産形成の成功は、長期投資の威力を如実に示しています。
彼の戦略から、私たちは以下の重要な教訓を学ぶことができると思います。
1. 「買ったら売らない」戦略の有効性
ロナルド・リードさんは「バイ・アンド・ホールド」戦略を実践し、一度購入した株式を売らずに長期間保有を継続しました。
この方法には、市場のタイミングを図る必要がない、取引コストの削減、複利効果の最大化などの利点があります。
2. 配当再投資計画(DRIP)の活用
ロナルド・リードさんは配当金を自動的に再投資するDRIPを活用しました。
これによって、手数料無しで配当を再投資することが可能となり、時間と共に保有株数が増加し、複利効果が加速します。
日本では、S&P500連動のインデックスファンドや全世界株式インデックスファンドを購入することで配当の自動再投資を実践することができます。
3. 質素な生活と継続的な投資
ロナルド・リードさんは年収300万円程度のブルーカラー労働者でしたが、質素な生活を送り、節約したお金を継続的に投資に回しました。
4. 分散投資の実践
ロナルド・リードさんは92銘柄に投資し、個別銘柄によるリスクを分散させました。
分散投資によって、安定した長期的リターンを確保することができ、市場全体の成長の恩恵を受けることができます。
5. 優良企業への投資
ロナルド・リードさんは誰もが知る優良株、特に安定した配当を出す企業を選んで投資しました。
これによって、安定した配当収入を得ることができ、その配当金を再投資することで莫大な富を築き上げました。
長期投資の重要性は、ロナルド・リードさんの成功例からも明らかです。
彼の投資哲学を参考に、自分に合った長期投資戦略を構築することで、着実な資産形成が可能となるでしょう。
以下の本には、ロナルド・リードさんの投資戦略が一部紹介されていますので、一度読んでみてはいかがでしょうか。
今後の投資戦略を考える上で、参考になると思います。