通訳ガイド試験に合格したら真っ先にやるべきこと
毎年2月に全国通訳案内士試験の合格発表がありますが、合格が分かったあと真っ先にやった方がいいと思うことがあります。
それは、通訳ガイドの新人研修に参加すること。
もちろん将来的にガイドの仕事をするつもりがない方は参加する必要はないと思います。
でも、せっかく苦労して資格を取ったのだから一度くらいガイドをやってみようかな…と思う方はぜひ参加してみて欲しいのです。
それはなぜかというと、
資格を取っただけではガイド業を始めることは難しい
ベテランガイドがカッコいいので自分もやってみたくなる
同じ志を持つ仲間ができる
というのが主な理由です。
私には現在未就学児の息子がおり、新人研修を申し込んだ当時はまだ幼稚園にも通っておらず自宅保育をしていました。
旅行業界は未経験だし、添乗員の仕事についても知識・経験ともにゼロ。
「ガイドをやってみたいけど、今すぐ現場に出るなんて恐れ多い・・・」
「少しずつ情報収集して自分のタイミングで仕事を始めたいな」
と考えていました。
新人研修に申し込む際も、今申し込んで良いのだろうか?とかなり躊躇しましたが、思い切って参加して本当に良かった!
ガイドとして仕事をするために、自分に足りないものは何かを知るのは早い方が良いからです。
おそらく試験勉強中は、ガイディング力(主にプレゼン力?)を磨くことに注力しがちではないでしょうか?
でもガイドの本業はむしろ「添乗業務」と言ってもいいくらい、安全に、時間通りに旅程を遂行することが重要な任務だということを私はこの新人研修で改めて知りました!
「ガイドの現場で必要とされる知識」は「試験に合格するための知識」とはまた少し違うのだと理解できたことが大きな収穫だったと思います。
あと、新人研修に参加したらベテランガイドの方々が眩しくて、自分もああいう人になりたい!と一気にモチベーションが上がったのも良かったです。
これって、どの職業を目指す時にも必ずやってくる瞬間ではないでしょうか。
日本にいると通訳ガイドのお仕事現場を間近で見る機会ってなかなか無いので、この新人研修はとても貴重です。
私は「ロールモデル」とか「憧れの人」がいた方が、自分が進むべき方向性が見えてきて頑張れるタイプ。
「この人のガイディングや個性が好きだな」と感じた時は、なぜいいと思ったのかを言語化し、自分の価値観を見つめ直すようにしています。
最後に、私が思う新人研修参加の最大のメリット「同じ志を持つ仲間ができる」についてお伝えしたいと思います。
私が参加した新人研修には「バス研修」というのが3日間あり、同じメンバーで一緒に観光地を巡ってベテランガイドさんからガイディングを学びました。
そして、なんとその時のメンバー(ほぼ全員)と、今でもグループチャットで情報交換や親睦会を行っているんです!
ある時は「今度ツアーで○○に行くんだけど、行ったことある人いますか?」といった質問が飛び交ったり、ある時はガイド募集の情報をシェアしてくれたりと、本当にありがたすぎるコミュニティ。
総勢20名ほどのグループですが、英語だけでなくフランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、中国語などなど、多言語ガイドの集まりなので、お互いがライバルになることも無くて平和です。
(もちろんお人柄が温和で素敵な方ばかりなのも事実ですが)
通訳ガイドは基本的にフリーランスという働き方になるため、横のつながりってものすごく貴重だなと改めて感じています。
会社のような組織には属していないけれど、私には「同期」と呼べる仲間がいます。
大変だった試験に合格して、これから通訳ガイドの新人研修に参加しようとお考えの方は、ぜひ横のつながりをたくさん作って下さいね!