ずっと専業主婦の自分が好きじゃなかった話
夫の海外転勤に帯同するため、会社を退職してから約9年を専業主婦として暮らしました。
こんなに長い間社会から遠ざかるとは思ってなかったし、専業主婦が自分にとってのベストだとは思わなかったけれど、引越し、出産・育児などで生活環境がどんどん変わると社会復帰へのハードルが次第に高くなっていきました。
そんな私ですが、専業主婦である自分にずっと劣等感を抱いていました。
専業主婦という肩書きに違和感
私は大学を卒業してから10年間会社員だったので、働くことが当たり前の生活を送っていました。
それがいきなり退職→イギリスで専業主婦をすることになり、生活の変化に気持ちがついていかなかったんです。
最初のころは、会社員生活で疲弊した心と体をリフレッシュする良い機会と思ってゆっくり過ごしていたけれど、次第にやることがなさすぎて退屈する毎日。
夫と二人暮らしだったのですが、向こうも一人前の大人なので特にお世話を必要としていません。
週1回通っていたESOLという英語のクラスでは、一緒に学ぶクラスメイトたちが出稼ぎや難民、結婚のため祖国を離れてイギリスにやってきた人ばかり。
別に自国の治安が悪いわけでもなく、仕事のためでもなく、留学でもなく、ただ夫の仕事に帯同するためにイギリスに来ている私がお気楽でちょっと異質な存在に感じました。
専業主婦として大した仕事もしてないのに、異国での生活が保証されているというのはありがたい話だけれど、社会に何の貢献もできていない自分が嫌でした。
海外生活の苦労がキャリアにならない
日本では考えられないようなトラブルが起こるのが海外生活というもの。
夫は平日仕事なので、日々の生活のことは当然私が担います。
・家具の配送が指定日に来ない
・無効にしたはずのカードで不正利用が発生
・Amazonで知らない人の荷物が届いた
・玄関に謎の宗教の勧誘
・友人が日本から送ってくれた小包に税金が課された
こんな細々としたことを地道に解決していましたが、誰に褒められるでもなく、何のキャリアにもつながりません。
夫は毎日仕事をすればそれがキャリアに直結するし、日本に帰国すれば戻る職場もある。
それなのに私は、この国で頑張ったことが何一つキャリアにプラスに働かない。
それどころか専業主婦の期間はブランクと呼ばれ就活にはマイナスでしかない、という日本の就活事情に納得がいきませんでした。
専業主婦+子育て期に入り心がすさんだ毎日
子供が産まれてしばらくは育児に慣れるのに精一杯で、他のことを考える余裕がありませんでした。
育児に携わる方は皆そうだと思いますが、自分のことはいつも後回し。
疲労と睡眠不足で「あれ?今自分おかしいかも」と気づいた時はだいたい感情が爆発した後でした。
子は可愛いし、何よりも尊重したい存在ですが、親子ベッタリの家庭保育に限界を感じていました。
日中は、在宅勤務の夫と未就学児の子供が狭い家の中に一緒にいたので、会議や電話が入るたびに静かにしなければならならず、手が空いたと思ったら日に3度の食事の支度。
子供は成長が早いし、夫も友人も日々仕事で頑張ってキラキラしているのに、自分はいつまで経っても同じ場所にいて衰退の一途をたどっている。
この状況いつまで続くの?
世の中からポツンと取り残されたような気がして、焦りから家族に八つ当たりをするなど、心が荒んでいくのを感じました。
そんな自分を変えたくてガイド資格取得
イギリスで生活している間、駐在妻としての経験が活かされる働き方はないものかとずっと考えていました。
好きでなったわけではない専業主婦。
でも楽な毎日を送っていたわけではありません。
外国で暮らすための適応力をつけ、異文化コミュニケーション、英語学習にも力を入れてきたんだから、その期間をブランク(空白期間)と捉えられることに意義を唱えたかった。
駐在妻を経験した自分だからできることがきっとあるはず。
色々考えた結果、全国通訳案内士の資格にチャレンジすることにしました。
自分にはイギリスのハイスクールで日本文化を紹介した経験があったし、友人たちに日本の話もたくさんしてきたので、ゼロからの挑戦ではない気がしていました。
それに国際色豊かな友人たちと友好をあたためた経験は、きっと通訳ガイドをする上でプラスになるはず。
(在英中に知り合った人の出身国はのべ24カ国以上!)
日本に帰国してから試験勉強を始めたら、その面白さに夢中になりトータル2年で資格を取ることができました。
そのころ出産と育児も始まり、せっかく取った資格もしばらく寝かせたままでしたが、いつでも好きなタイミングで始められるのが通訳ガイドの良いところ。
最近では訪日外国人旅行客の増加で新人ガイドも仕事を始めやすい環境になっています。
私は子育てや、他の事とのバランスをとりながら、生涯かけて経験を積んでいきたいと思っています。
駐在妻としての経験を活かしたいという方は、ぜひ通訳案内士という選択肢も考慮に入れていただけると嬉しいです!
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