英語多読向けのおすすめ洋書20選【小説からノンフィクションまで】
僕が洋書の多読を始めたのは2009年の中頃でした。今までにのべ300冊以上は読んでると思います。
そのなかから、文章が素直で読みやすい、多読挑戦者向けの洋書をピックアップして紹介しようと思います。
なお、ガチの洋書を読むのがまだきついという場合は、「ラダーシリーズ」を活用するのがよいでしょう。ラダーシリーズは、英語学習者向けに語彙や構文を平易なものに置き換えた読み物のこと。
この記事はラダーシリーズを卒業して「さて次になにを読むか」と物色している人向けの内容です。
The Chronicles of Narnia(ナルニア国物語)
世界でもっとも有名なファンタジー作品のひとつ。
ハリーポッターよりもだいぶ易しい。ファンタジーならここから入るのがいいと思います。1巻あたり200ページで全7巻。
同じ有名どころでもトールキンの指輪物語(Lord of the Ring)やグウィンのゲド戦記(Earthsea)は難しすぎるので、手を出さないほうがよいでしょう。
Holy Bible(聖書)
聖書も現代英語訳なら読みやすいです。
1000ページ以上あります。つまらない部分は飛ばしてOK。創世記、出エジプト記、ヨブ記、福音書、ヨハネ黙示録あたりの有名どころを読むだけでもけっこうなボリュームになります。
How to Stop Worrying and Start Living(道は開ける)
自己啓発書の王みたいな存在。『人を動かす』のほうが有名ですが、読みやすさではこちらが上な印象です。内容もこっちのほうが面白いと思う。
ちなみに、同じくらい有名なルイスコヴィ『7つの習慣』の原書は、けっこう文章が難しくて歯ごたえがあります。
Feeling Good(いやな気分よさようなら)
認知行動療法を広めた名著。フランクで読みやすい。内容もすこぶる有益。
新書サイズで700ページくらいありますが、後半の300ページは薬学の専門的な話なので読まなくていいです。
The Sedona Method(セドナメソッド)
セドナメソッドと呼ばれる、一種の瞑想テクニックを紹介した本。名だたる企業の経営陣に実践者が多く、その影響で有名になりました。
確かに効果は感じる。そして英文も読みやすい。
Principles of Economics(入門経済学)
世界で一番読まれている経済学の教科書。実はこういう本の英語が一番読みやすいです。
最近の洋書は値段が異常なので、本書のように電子版がない商品は、旧版を中古で探すとよいでしょう。
Harry Potter(ハリーポッター)
ハリポタはけっこう難しい洋書です。これを最初に読むのは避けたほうがいいでしょう。挫折して当然。
洋書入門者の登竜門というよりは、中級者への登竜門だと考えておいたほうがいいと思います。
内容の面白さは言うまでもなし。映画版より原作のほうが面白い。
The Bartimaeus Sequence(バーティミアス物語)
ハリーポッターを第7巻まで読めるならこれもいけます。ハリポタフォロワーのなかで一番面白いと思う。
人間と悪魔が交互に一人称で語る個性的な構成。2巻からどんどん面白くなる。
And Then There Were None(そして誰もいなくなった)
ミステリーの女王アガサ・クリスティによる名作。ありがたいことに文章はかなり読みやすいです。
ちなみにコナン・ドイルのシャーロックホームズシリーズも、あの時代の作品にしては読みやすくてびっくりします。といっても歯ごたえはあるのでここでおすすめするかは微妙なライン。推理モノが好きなら挑戦する価値あり。
All American Girl(恋するアメリカン・ガール)
メグ・キャボットは「プリンセスダイアリー」シリーズが有名ですが、個人的にはこっちが最高傑作だと思う。
オタク女子高生の一人称で物語は進みます。この語りがユーモア炸裂しまくっててほんと笑える。
Jurassic Park(ジュラシックパーク)
90年代SFの最高傑作。スピルバーグによる映画版も有名。
クライトンの英語はすごく読みやすいです。SFは難しい文章が多いのでこの人の作品は貴重。続編のロストワールドもおすすめ。
他に現代のベストセラー作家ではジョン・グリシャムとかも読みやすいです。逆にスティーブン・キングは難易度が高いので要注意。
Tom’s Midnight Garden(トムは真夜中の庭で)
フィリパ・ピアスによる、児童文学の最高傑作のひとつ。すごく感動的。文章も読みやすい。
なお児童文学の有名どころといえばモンゴメリの赤毛のアンシリーズもありますが、あれは文章が意外と難しいので覚悟が必要です。
A little Princess(小公女)
これも児童文学の代表的存在。王道の感動作品。古い作品なのに文章は読みやすい。
バーネットなら『秘密の花園』(The Secret Garden)もおすすめです。
Wonder
これはもっと最近の児童文学の傑作。2013年発売。
序盤の時点でおもしろいですが、中盤に語り手が切り替わることで一気に深さが増していく、あの加速度感がすごい。
チェーホフの英訳
ドストエフスキーやトルストイに次ぐ19世紀ロシアの世界的文学者に、チェーホフという人がいます。この作家の書く文章は「中学生の語彙だけで書かれている」と言われるほど平易なのが特徴。だから当然、その英訳版も読みやすい。
『三人姉妹』『かもめ』『ワーニャ伯父さん』などの戯曲から入るのがいいでしょう。
Gone with the Wind(風と共に去りぬ)
アメリカ文学でもっとも人気のある作品。
主人公の性格がきつい点で読者を選ぶといえなくもないですが、内容の面白さは折り紙付き。そして古典にしては意外なほど文章が読みやすい。
アメリカ文学の古典はホーソーンの『緋文字』とかメルヴィルの『白鯨』とかスタインベックの『怒りの葡萄』とかも原書で読んでみたことありますが、まあ難しくて手に負えないという感じでした。先に日本語訳を読んでいるお気に入りの作品であれば、挑戦する甲斐はあると思います。
The Culture Map(異文化理解力)
世界中でベストセラーになったビジネス系の本。「日本人」とか「アメリカ人」とかのくくりで大まかな性格の傾向性をあぶりだし、それを比較していく内容。
日本人から見るとアメリカ人は大胆で快活だが、世界中の国民のあいだに置いてみると、実は周りの顔色をうかがって行動する度合いが強い⋯とか、面白い発見に次々と遭遇できます。
Sapiens: A Brief History of Humankind(サピエンス全史)
これも世界中で売れたベストセラー。
歴史の本です。人類の何万年かの歴史をコンパクトに圧縮し、そのとき歴史が動いた的な超大規模イベント(農業の発生など)に焦点を当てる構成。
文章は読みやすい。小説よりもこういう本のほうが読みやすいです。
Reality Is Not What It Seems(すごい物理学講義)
イタリアの量子物理学者が書いた世界的ベストセラー。内容は高度ですが、文章は読みやすい。しかもイタリア語の原書を英訳したものだからよけいに読みやすい。
不思議なことに、英語ネイティブが書いたものよりも、外国語を英訳した本のほうが読みやすくなる傾向があります。
ちなみに理数系の啓蒙書ではビル・ブライソンの『人類が知っていることすべての短い歴史』という最高の本があるのですが、これの原書は文章がかなり難しくて多読向きではないのが残念です。
Autobiography of a Yogi(あるヨギの自叙伝)
インドの導師(グル)によって書かれた自伝。ユーモラスかつ奥深い内容。そして超常的な記述で読者の度肝を抜きます。
著者のヨガナンダは西洋社会に巨大な影響を与えました。ビートルズのメンバーやアップルのスティーブ・ジョブズもこの本の愛読者。
電子版とオーディオブック版を有効活用
洋書は電子版を購入して読むのがおすすめです。
円安の影響もあってか、今の日本で紙の洋書を買おうとするとやたらお金がかかるんですよね。ほんの十数年前には格安でペーパーバックが買えたものですが。
電子版のほうが圧倒的に安いので、たくさんの量をインプットしていきたいのならこっちのほうがいい。Kindleは専用の端末などなくても簡単に読めるので、別に追加の投資も必要ないです。
オーディブルでオーディオブック版を利用するのも効果あります。オーディオブックはプロのナレーターが作品を音読してくれるもの。
これをどうやって使うか?
未知の本を音声で聞くだけだと英語はノイズとしてスルーされるだけの可能性が高いので、その使い方はおすすめできません。
むしろ、内容を熟知したお気に入りの既読作品を聞いていきます。あるいは音声を聞きながら文章を目で追っていきます。これで多読とリスニング学習を同時におこなうことができます。
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