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踏んでもいいアートにドキドキした「買上展」@東京藝術大学大学美術館
上野の東京藝術大学大学美術館で「買上展」を見てきました。
◆買上!
「買上展」とは、その名のとおり、東京藝術大学が、卒業・修了制作から買い上げた作品を展示している展覧会です。
買上制度がはじまったのは、1953年と書いてありました。
すばらしい制度ですね。
もし私が藝大生だったら、「首席」と言われるより、「買上!」と言われたほうが断然うれしいです。
◆巨匠も学生だった
![](https://assets.st-note.com/img/1682475318773-DvtSFi2Mjy.jpg?width=1200)
第1部「巨匠たちの学生制作」では、菱田春草や和田英作など、名だたる作家たちの卒業制作や自画像が展示されていました。
横山大観など名前を知っている作家は、「巨匠の絵だ!」と思って見てしまいますが、今回の展示作品は、すべて学生時代に制作されたものなんですよね。驚きます。
ちなみに、「重要文化財の秘密」展で見た萬鉄五郎の《裸体美人》も、彼の卒業制作でした。当時の評価はよくなかったらしいので、藝大に買い上げてもらえなかったのですね。
◆ドキドキしたアート
![](https://assets.st-note.com/img/1682506473118-B3nGZvYHkF.jpg?width=1200)
続いて、第2部。日本画や油画、彫刻、工芸、デザインなど「各科が選ぶ買上作品」が並んでいます。
特におもしろかったのは、「美術教育」の買上作品です。
解説によると、美術教育研究室は、理論研究と実技制作の両方を修了要件としている大学院修士課程・博士後期課程からなる研究室、とのこと。
入学してくる学生さんの専攻は、絵画・彫刻・工芸分野とハイブリッドで、自分の専門性を大切にして修了制作をされているそうです。
例えば、藤澤穂奈美さん(彫刻専攻)の《Lives》は、鑑賞者が土足のまま乗る(踏む)ことができる作品、と表示されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1682497744404-7HFC0P0x71.jpg?width=1200)
乗っていい、踏んでいい、と書いてあっても、ステキなアートなので足を乗せるのは緊張しました。このドキドキも、鑑賞体験のひとつなのかもしれません。
◆英語解説は…
英語解説はなかったので、本展の英語タイトルだけ載せておきます。
Geidai Collection 2023
Selections from the Purchased Excellent Student Works
エクセレントで楽しい展覧会でした。