「エンジニア文化は羨ましい」 異色キャリアのマネージャーが目指す理想の場づくり
「エンジニアが集まる・活躍する・成長する街、福岡」の実現のための一環として、2019年8月に誕生したエンジニアカフェ。今回は現場マネージャーに、その取り組みや目指すところについて、詳しくお話を聞きました。
寺元 力さん
エンジニアカフェ マネージャー
1989年大阪生まれ。2008年に福岡へ移住、九州大学を卒業後、料理人へ。
2019年までは自ら飲食店を経営。
フードテックなどへの興味もあり、2020年1月に株式会社サイノウへ入社し。現在エンジニアカフェのマネージャーを担当。
家庭では1歳半の息子を愛してやまない、1児の父。
ー 本日はよろしくお願いします。まずはエンジニアカフェと寺元さんの役割について、あらためて紹介をいただけないでしょうか
寺元:
はい。エンジニアカフェでは、エンジニアやエンジニアを目指す人、エンジニア関連のコミュニティに向け、コワーキングスペースの開放やイベントの開催など、各々が活躍・成長していくための環境を提供しています。また、コミュニティマネージャーやサポートエンジニアが所属しており、エンジニアに関するあらゆる相談も受け付けています。
私はその現場のマネージャーとして、現場管理や事業運営を担当しています。エンジニアカフェの利用者を増やすとともに、皆さんに気持ち良く使ってもらうためにはどうしたらいいかを考えることが、主な役割ですね。設備やサービスの充実、イベント開催の準備や当日運営などについて、日々スタッフたちと試行錯誤しながら取り組んでいます。
マネージャーを担当させていただくようになったのは、2020年1月に私がエンジニアカフェの運営企業の1つである株式会社サイノウに入社してからです。現在はFukuoka Growth Next(FGN)内にある"awabar fukuoka(アワバーフクオカ)" というカフェバーのマネジメントなども担当しています。
エンジニアカフェもawabar fukuokaも天神駅から徒歩10分以内。
今回のインタビューは、awabar fukuokaの店舗からオンラインで行いました。
ー そんな寺元さんの前職は、なんと料理人だったそうですね
寺元:
一旦大学までは普通に卒業したものの、小さい頃から料理が好きだったこともあり、一昨年まではずっと料理人として働いていました。サイノウに入社する直前は、「Bento Stand Park」という弁当店の経営をしていましたね。味だけでなく見た目やデザインにこだわり、雑誌やテレビなどの取材も頻繁に訪れるようなお店でした。
ー 起業まで経験されながら、料理と全く関係のない株式会社サイノウ様へ入社されたのは、どういう理由からだったのでしょうか
寺元:
私がちょうど30歳を迎え、このまま料理人を続けるか、一度現場から離れてマネジメントに関わるかを考えていたタイミングだったというのが大きいですね。そんな時にサイノウの代表である村上と知り合い、何度か話すうちに意気投合して入社することになったんです。心の中に「料理人という仕事は好きだけど、体力的にどこかで限界が出てくるかもしれない」という迷いを抱えていた時期に、新しい挑戦ができる機会に恵まれたのは、とても幸運だったと思います。
ー そして入社後は、全くの異業種であるエンジニアカフェのマネージャーに。寺元さんにとって、どんな発見があったのでしょうか
寺元:
もう毎日が新しい発見の連続です。例えばエンジニアさんって、自分の知識や経験を勉強会で積極的に共有する文化(オープンソース、オープンマインド)がありますよね。職人気質の強い料理人の世界にはあまりない考え方で驚きましたが、とてもいい文化だと思いました。
また、同じエンジニアという属性や趣味嗜好を持った人たちが、気軽に集まることができる場所が物理的にある点もいいですね。料理人同士が気軽に集まることができる場所って、特にないんですよ。「ここに行けば友達ができるんじゃないか」「ここに行けば同じ想いや志を持った人に会えるんじゃないか」と思える場所があることは、とても魅力的です。
飲食店もエンジニアカフェも目的とするのは「場づくり」であり、根っこは同じだと考えているので、もし将来、また自分で飲食店をやりたいと思った際には、今の経験は確実に活かせるでしょうね。
「Engineer Cafe ‒ Hacker Space Fukuoka ‒」内にある "Cafe&Bar:Hand anything"
ー エンジニアカフェのマネージャーを続ける中で、寺元さんが嬉しいと思うのはどんな時でしょうか。反対に、苦労を感じるのはどんな時でしょうか
寺元:
さまざまな取り組みの中でも特にエンジニアさんによるイベントを大切にしているため、参加者から「勉強になった」「やってよかった」という声をいただけると非常に嬉しいですね。今はコロナ禍のせいで開催が難しい場合も多いですが、オンライン中心でも何かいい方法、サポートはないか、と常に模索しています。
苦労に感じているようなことは特にないのですが・・・・・・強いていえば、私自身にエンジニア経験がないので、どうしても知らないことが多くなってしまう点でしょうか。そもそもエンジニアと一括りにいっても、業界や職種も多種多様じゃないですか。そんな人たちが興味を持って集まってくれる場所には何が必要なんだろう、といつも悩んでいます。
だからこそ、私自身の体験も踏まえて、未経験から別の分野にチャレンジする人に寄り添うということを大切に運営を行っています。
ー エンジニアカフェでは、今後どのような展開を計画されているのでしょうか
寺元:
これまでは、社会人を中心とした未経験の方からの「エンジニアになるにはどうしたらいいか」という転職相談をいただくことが多かったのですが、今後はさらにサポートの対象の世代を広げていこうと考えています。
まずは学生をメインに、若手エンジニアの方への支援に注力する予定です。エンジニアカフェでサポートや勉強ができる環境を用意し、エンジニアとしての経験を積んでいってもらいたいですね。
また、これまでは福岡市内、天神駅近郊の方が主な利用者でしたが、オンラインでのイベントが増えたこともあり、登壇者・参加者とも県外の方や海外の方に広くご参加いただけるようにもしていきたいです。エンジニアカフェには外国人のコミュニティマネージャーも在籍しており、すでに英語でのイベント開催や海外出身エンジニアの利用も増えています。
あわせて、設備の強化も検討しています。MAKER’sスペースには現在3Dプリンターやレーザーカッターなどの機器を設置しており、デジタルものづくりの体験ができるようにしていますが、さらに新たな機器を導入することで、ものづくりをより一層楽しめる場所にしていきたいと考えています。
「Engineer Cafe ‒ Hacker Space Fukuoka ‒」B1FにあるMAKER’sスペース
ー 本日はありがとうございました。最後に、今後エンジニアカフェを利用するであろう方、エンジニアとして成長したい方やエンジニアを目指す方へのメッセージをお願いします。
寺元:
エンジニアカフェは、エンジニアの方にとって働く上での相談、成長や挑戦の第一歩を踏み出せるなど幅広く対応できるような場所でありたいと考えています。
未経験の方のエンジニアへの挑戦のサポートはもちろん、ベテランの方が新しい知識、刺激やチームの相談などができるように、エンジニアカフェは出会いや繋がりから新しいものが生まれていける、サポートできるような場所にしたいですね。
エンジニアに関して「こんなことできないかな」「こんな相談できないかな」があれば、ぜひ気軽に遊びに来てください!
エンジニアカフェについて
エンジニアカフェは、福岡をエンジニアの聖地に、という思いから「エンジニアが集まる・活躍する・成長する街、福岡の実現を目指す “エンジニアフレンドリーシティ福岡”」の取り組みのひとつとして2019年8月に誕生しました。
個人、コミュニティに関わらず、エンジニアやエンジニアに関わる人、またエンジニアを目指す人の様々な相談に対応し活躍できる環境づくりをサポートしており、エンジニアによるエンジニアの為のイベントを開催。さまざまな技術トピックのイベントに会場を提供しています。
※コミュニティマネージャーへのご相談についてはこちらを参考ください。
業種などの垣根を超え、エンジニア同士の多様多種なコミュニケーションを促進し、 エンジニアにとってあらゆる機会を創出するため活動しています。
※各種イベント開催、エンジニアカフェへのお問い合わせは以下ご確認ください
【エンジニアカフェ 公式アカウント】
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オンラインエンジニアカフェ(Discord)
エンジニアカフェ運営事業者
特定非営利活動法人AIP(理事長 本田 敬吉·博多区博多駅東1-17-1 4F)
株式会社サイノウ(共同事業者)(代表取締役 村上 純志·中央区西中洲12-11-301)
執筆:あっこ 編集:コルクラボギルド(https://corklabguild.com/)