理科を通して何を学ぶの?
みなさんどもども。PON先生です。
今回からは、理科という教科について数回に分けて
記事を書こうと思います。
全ての高校生に身につけておいてもらいたいこと
私は高校理科教員でありがら、全ての高校生に理科をしっかり勉強してほしいとは思いません。
だって難しいもん。
私の専門は化学です。生物も好きです。
でも物理は大っ嫌いです。
理科が苦手でつまずいて、赤点とって心折れるぐらいなら、理科なんて勉強しなくてもいいんじゃないかとさえ思っています。
しかしながら、理科がどれだけ嫌いでも、せっかく理科の授業があるんだから、こういうスキルを身につけてほしいなぁと思うことがあります。
その1 頭の瞬発力
頭の瞬発力とはどのようなものか。
私が実際に定期考査で出題した問題を例に解説します。
【物理基礎 問題】
コンビニでお弁当を購入したところ
「電子レンジで加熱する際は、500Wで2分」
という表記があった。
問1 このお弁当の加熱に必要な熱量を求めよ。
問2 800Wの電子レンジを使用した場合、加熱に必要な時間を求めよ。
この問題で問1は物理っぽい計算が入るので正直どーでもいいんです。
重要なのは、問2です。
答えは、500×120÷800=75秒
ということになりますが、
私が言う頭の瞬発力は、
答えは大体これぐらいの数値になるなぁと予想することです。
500Wの電子レンジで2分の加熱が必要ということは、
1000Wという倍の出力にすれば、時間は半分ぐらいでいいのかなぁ。
つまり、800Wなら、1〜2分の間に答えがあるはず!
極端に短い20秒とか、長すぎる5分という計算結果で出てきたなら、
それは明らかにこの問題の答えとして間違っている!
ということを考えられるようになってほしいと思いました。
実際に生徒の中には、この問題の答えを40分とか、1.6秒とか、
色々な数値を書いていました。
…あり得る?
さっきまで加熱に2分かかるって言われてたものが
電子レンジ変えたら1.6秒で加熱が完了する!?
あなたのお宅の電子レンジはドラえもんが作りましたか!?
さっきまで加熱に2分かかるって言われてたものが
急に40分もかかる!?
先生ならそんな時間待てません。
そうなんです。これらの答え、明らかにおかしいんです。
ある程度の見立てをロジカルに予想して、
あり得ない答えになった時は、
自分でそれがおかしいことに気づく力
これを私は頭の瞬発力と呼んでいます。
長くなりましたが、今回はここまでにします。
次回も引き続き、理科という教科について記事にしたいと思います。