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ローダンセマム徹底解説


ローダンセマムとは

ローダンセマムとはキク科の多年草で草丈は10~30㎝程度になります。

ローダンセマム プチマカロン


暑さに弱いので高温多湿の日本では1年草として扱われることもあります。
花色は白、ピンク、クリーム色などです。

葉は切れ込みの深いシルバーリーフです。

シルバーリーフが美しい


寒さに強くマイナス10度まで耐えられるということです。
常緑なので冬でも美しいシルバーリーフが楽しめます。
お花の時期は3月~6月です。

水仙との寄せ植え


品種紹介

アプリコットジャム

アプリコットジャム

サーモンピンクの花色が可愛い品種です。花首がスーッと伸びて咲きます。茎は太めでモフモフ感があります。
黄色い芯とあいまってふんわり柔らかい印象です。メルヘンチックな雰囲気が好きな方にお勧めです。


マーキュリー

マーキュリー

コンパクトにこんもりとまとまって咲きます。
草丈が低めなので、目線の近くで楽しむと良いです。
お花は小さめで寄せ植えに使いやすい印象です。

ワイン色の大きめの芯です。透明感のあるピンクの花びらとよく合います。個人的に非常に好きな品種です。

一株植えだと少し物足りないかもしれません。
複数の株をまとめて植えると見栄えがします。


リルピンク

リルピンク


ラベルにローダンセマムの最高傑作と書いてありました。
花色は淡いピンクで、サイズはやや大きめです。

こちらの品種は花色が褪せないのが特徴らしいのですが、実際に育ててみると、「そう言われてみれば、そうかも」という程度です。もともとの花色が濃い訳では無いので、実感しにくいのかもしれません。
ちなみに他の品種で「花色が褪せて困る」と感じた事はありません。

強健らしいですが我が家の環境では3株育てて1株だけ夏越し出来ました。
昨今の酷暑ではローダンセマムの夏越しはなかなか難しいのかもしれません。
とはいえ、諦めたわけではなく、試行錯誤して今後も夏越しに挑戦し続けます。

2年目のリルピンク。つぼみが沢山。

リルピンクに限らずですが、2年目のローダンセマムは花数が爆増します。
常緑なので冬は美しいシルバーリーフが楽しめます。
こんもりと茂った株からツボミが見えた時の感動、それが徐々に膨らみ、でもまだまだ寒いのでちっとも咲かない。
そのもどかしさが楽しくもあります。
まだかまだかと待ち続け、ようやく咲いた時の感動は何物にも代えがたいものがあります。
1年草扱いで終了するには、あまりにももったいないと感じます。頑張って夏越しさせる価値のあるお花です。


プチマカロン

プチマカロン3株植え

ピンクの花びらと茶色い芯のコントラストが魅力の品種です。中ぐらいのサイズのお花が次々と咲きます。
何と言ってもネーミングが秀逸です。可愛すぎる。

ツボミも可愛い


ふんわりと咲き広がります


マーズ

マーズ

ローダンセマムには珍しい、ほぼ赤に近い濃いピンクのお花です。

マーズ

ピンクや白の花色が多い印象のローダンセマムですが、こんなに鮮やかな色もあるのだと驚いたのがマーズです。

お花は小さめですが、花色が鮮やかなので目をひきます。
ちょっと変わったローダンセマムをお探しの方にお勧めです。


ムーン

ムーン


淡いアプリコット色~イエローの花が咲きます。咲き進むと白に変化します。

咲き進むと色が変化します


咲き進んで白くなった花


2年目のムーン


咲き始めはレモンイエロー


かなり咲き進んだ状態



カップケーキ

花色はピンク、芯は黄色です。

カップケーキ


スイセン、ヒヤシンスとの寄せ植え


2年目は花数がぐんと増えます



咲ききらない(開ききらない)形が特徴のお花です。

まさにカップのような花形



レトロクラッカー

優しいクリーム色の花


ムスカリ、ビオラとの寄せ植え


比較的大きなお花が咲きますが、優しい色合いなので他のお花と合わせやすいです。特にブルー系のお花と合わせると、お互いの魅力が引き立ちます。

↑の写真の寄せ植えは、濃い青のムスカリ、淡いブルー系のビオラ、黒葉のクローバー、銅葉のカラーリーフ(ビオララブラドリカ)、見切れていますがスイートピーを植えています。


ピンク系と合わせあればラブリーに、ホワイト系の小花と合わせれば儚げに、濃い黄色と合わせれば元気な印象に、とアレンジが楽しめる品種だと思います。



名無しの白花

数年前にコメリで買いました


3年目の株


こんもりと茂るシルバーリーフが美しいです


いくつかのローダンセマムを育ててみて、一番育てやすかったのが↑の写真で紹介した、数年前にコメリで買った品種名は特についていない白いお花のローダンセマムです。

丈夫で夏越しさせやすく、株のまとまりも非常に良いです。
コンパクトにこんもりと茂るので、狭い場所でも楽しめます。

株元からもしっかり芽吹くので、姿を整えやすいです。
シンプルな白いお花が株いっぱいに咲き誇ります。
輝くようなシルバーリーフは冬も美しく、観賞価値が高いです。

苗で買った時にはお花がポツンと1輪だけ咲いていて、お手頃価格だったのもあり、正直言ってあまり期待はしていませんでした。
ところが今では、その後買ったどんな品種よりもお気に入りです。

価格、花数、夏越しのしやすさ、葉の美しさ、株のまとまりの良さ、どの項目でも満足できます。
品種が分からないのが残念ですが、分からないからお値段がお安いのかもしれませんね。


その他アフリカンアイズ、ピンクエルフ、ホワイトエルフなど多くの品種があります。



植え付け

ローダンセマム栽培のポイントは水はけの良い土に植える事です。ある程度のお値段がする市販の草花用培養土を使うのが簡単です。

草花用培養土



こだわり派の方で自分で土を配合したい場合は、↓に配合比率の一例を挙げますので参考にして下さい。

・赤玉土小粒4
・鹿沼土小粒2
・パーライト1
・腐葉土2.5
・くん炭0.5

配合の一例


夏越し、冬越しをさせるお花の場合、どんな用土を使うのかは、かなり重要な要素になります。信頼できる用土を使う事をお勧めします。

なお、ローダンセマムは酸性の土を嫌うそうです。自分で配合する場合、鹿沼土の入れ過ぎには気を付けた方が良いかもしれません。


買ってきた苗をポットから出します。ローダンセマムは根がびっしりと張っている事が多いです。

ポットから出した状態。びっしりと根が張っています。


用土に新たな根が伸びていきやすいように、ほぐしてから植え付けます。
根を切るのではなく、解いていくイメージです。とはいえ、苗の状態によっては切らざるを得ない場合もあります。

このあたりに経験の差が出る気がします。正解不正解という意味ではなく、自信を持って、思い切って出来るかどうか、という部分です。

最初は恐る恐るになってしまうはずです。
もしかしたら、根を切るのが不安でスポッと抜いて、そのまま植えたくなる方もいるかもしれません。

でも、根鉢はある程度崩さないと株が成長できず、買った時のポットの形のまま枯れていくなんて事になりかねません。

根かき棒や、菜ばしなど、少し先が細くなった棒状のものを使って、下の方から優しく根を解いて下さい。

ただし、あまりにもギッチギチに根が絡んで固まっている場合など、やむをえずベリっとむしり取る事もあります。(私の場合)


植え付けの際には下の方の葉っぱを少し取ると良いです。
こうする事で株元の風通しが良くなります。

また水やりの際に葉っぱが濡れる事を多少なりとも軽減できます。

特に寄せ植えにする場合などはローダンセマムに限らず他のお花(ナデシコなど)でも、下葉取りを行うと蒸れ防止に効果的です。

株元の葉を取りスッキリさせる



肥料

植え付け時には元肥を入れます。あらかじめ肥料が配合されている草花用の培養土を使う場合でも、私は念のため元肥を追加する事が多いです。

初心者の頃は肥料を軽視していましたが、経験を積むにつれ、肥料の大切さを感じています。

ただし、入れ過ぎは禁物です。濃すぎる肥料は枯れる原因にもなります。(肥料が原因で大切なお花を枯らしたことがあります)

私は規定量よりも少な目、薄めにしています。

元肥の一例


植え付けからしばらくしたら追肥をします。

IB肥料を置き肥(白い粒)

固形肥料を置き肥して、たまに薄めの液体肥料を与える様にしています。こうすると肥料切れの心配が少なくなります。
併用する場合、肥料が濃すぎると枯れる心配があるので、固形肥料、液体肥料ともに規定より少な目、薄めにするようにしています。



水やり

乾いたらたっぷりが基本です。
ローダンセマムは蒸れに弱いので、なるべく葉っぱに水がかからないようにします。
上からかけるのではなく、株元に静かに注ぎます。

葉に水がかからないように



病害虫

ローダンセマムのお花の時期はアブラムシの時期でもあります。

虫が出てから退治するのは手間がかかりますし、薬の効果もあまり感じられない事が多いです。蒸れに強いお花なら、シャワーで洗い流して物理的に退治する事も出来ますが、ローダンセマムにはあまり水をかけたくありません。

植え付けのタイミングで予防剤を使うと安心です。植え付け用土に混ぜても良いですし、表面にばらまいても良いです。

薬の一例
オルトラン等で対策します


お花を育てるうえでやっかいなのがナメクジです。花や葉の美観も損ねますし、知らずに触ってしまった時のあの気持ち悪さと言ったら、、、。

ナメクジの薬もあらかじめ用意しておくと、いざという時に便利です。

ナメクジの薬の一例



置き場所

夏以外は屋外の日なたが基本です。
蒸れに弱いので雨に当たらない場所が良いです。
マイナス10度まで耐えられるらしいので、冬も外で大丈夫です。(東京の場合)

暑さが苦手なので夏は風通しの良い半日陰で管理します。


切り戻し

1年草扱いで終了する場合は、お花が咲き終わったら終了です。それはそれで潔くてアリだと思います。
もし夏越しして再び咲かせたい場合は切り戻しをします。
梅雨に入る前に草丈の半分の高さにカットします。

茎の半分の長さで切る


切り戻す際には必ず葉っぱが残るようにします。

無事に夏を越え、秋を迎えたら、もう一度切り戻します。
ここで形を整えておくと、冬にこんもりと美しいシルバーリーフが楽します。また、春に咲いた姿も美しく整います。


切り戻しをしなくても開花はしますが、株元近くが木質化して、乱れた姿になります。枝垂れる様に咲くので高い場所に飾れば、姿が乱れたとて特に問題は無いように思います。

下の写真は園芸初心者の頃、まだ「切り戻し」という作業を知らない時に「わーい、きれいに咲いた♪」と喜んでいた時のものです。

切り戻さずに咲かせた花


お花の育て方を調べると、様々な情報が出てきます。生真面目にすべてを守ろうとすると、手間も時間もかかり面倒だし、人によっては辛くなってくるかもしれません。

でも、仕事じゃないのですから楽しむ事が一番です。切り戻ししなくても良いじゃないですか。植え替えなくても良いじゃないですか。
枯れたらまた買うで良いと思います。むしろ買った方が園芸
業界の発展には役立つはずです。

ちょっと話がそれましたね。

楽しみ方は人それぞれですが、「なるべく枯らさないように工夫してみる」のは楽しいものです。



植え替え


無事に夏を越したら植え替えをします。適期は秋です。

鉢から出しますが、根がびっしり張っていてなかなか出ない場合があります。たいていの人は手で鉢の側面を叩いたりするかと思いますが、鉢の素材によってはかなり手が痛いですし、年齢を重ねるとそもそも普段から手が痛い事もあるでしょう。

長い人生、手を労わりたいのでなるべく負担はかけたくないものです。そこでオススメなのがゴムハンマーです。私はダイソーで100円で買いました。
私にとって、もはや欠かせない道具になっています。

鉢から出すのに便利なゴムハンマー
植え替え前の様子。左はリルピンク、右は名無しの白花。


リルピンクの根鉢


名無しの白花の根鉢



根鉢を崩して植え替えます。

根鉢をほぐしたところ(リルピンク)


根鉢をほぐしたところ(白花)


ちょうど良い高さまで土を入れておく


一回り大きな鉢に植え替えて、たっぷりと水を与えておきます。

右が植え替え前の鉢。

植え替える事で土の容量が増えて、根の量も増え、地上部の枝や葉の数が増え、たくさんのお花を咲かせる事ができます。

植え替え後は日当たりの良い場所で管理します。
ローダンセマムは寒さに強いので基本的には冬も外で管理します。

植え替えたらあとはお花を待つだけです♪

常緑なので冬でも美しいシルバーリーフが楽しめます。水やりしながらツボミが上がってくるのを今か今かと待ちわびる日々は楽しいものです。

そしてある日ツボミを見つけた時の喜びはひとしおです。
開花を待ちわびながら、徐々に暖かくなっていく気候に春への期待が高まります。

見えてきたツボミ



春のお花との共演


開花したら存分にお花を楽しみ春を満喫します。
たまに液体肥料を与え、花がらを摘み、時には切り花で楽しみます。

お花が終わったら、また夏越しさせます。その繰り返しです。古株は枯れやすいので、余裕があれば挿し木で更新しても良いかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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