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ラナンキュラスラックス育て方徹底解説。失敗したくない人は読んでみて下さい。



ラックスが生まれた背景

ラナンキュラスラックスは宮崎県の綾園芸さんが異種間交配によって作出した新しいラナンキュラスです。
従来からある一般的なラナンキュラスは日本の夏の高温多湿や冬の寒風が苦手で、本来は多年草なのですが日本では地植えで年を越す事は難しく、球根を掘り上げて乾燥させるなどの管理が必要でした。
しかし綾園芸の草野修一さんという方が庭植え可能な新しいラックスを作出してくださいました。
この草野さん、ラナンキュラスを約300種類も作出していてこれは国内シェアの5割以上だそうです。
ちなみにこの数字は10年も前の情報なので、きっと今はもっとたくさんの品種を作出されているのかなと思います。ラックスと言う名前はワックスをかけたようなキラキラした花弁からきているそうです。


咲き方

咲き方は一株から枝分かれするスプレー咲で光沢のある繊細な花びらです。
草丈があるので切り花にしても素敵に飾る事ができます。
ツボミの状態で切ってもしっかり咲いてくれます。

光沢のある花びら


他のお花と合わせても素敵です


大人っぽいティーバ。比較的早く咲きます。


置き場所

新たに開花株を購入した場合の置き場所は昼間は日なたで日光浴をさせて、夜は室内に取り込むのが良いと思います。

ラックスの開花株

ラックスは耐寒性はかなりある方ですが市販の開花株はご自宅の環境、特に寒さにまだ慣れていないと思いますので



面倒でも夜は玄関などに取り込む事をお勧めします。
そして雨にもなるべく当てない方が良いと思います。
寒さがひと段落したら、夜間室内に取り込む必要は無くなります。
花が終わって地上部が無くなるまで良く日の当たる場所で管理します。



地上部が無くなったら
雨の当たらない風通しの良い場所に移動して休眠させます。

秋、休眠から目覚めて芽が出てきたら日なたで生育させます。

休眠からの目覚め。10月頃。


雨にはなるべく当てない方が良いと思います。
冬も基本的に外の日なたで育てます。
一説によるとラックスはマイナス5℃まで耐えられるとも聞きますが、私は念のため夜温が氷点下になる日や風が強い日は室内に取り込みます。私はウェザーニュースなどの天気予報アプリを使って夜間の最低気温を予測する様にしています。

12月の様子(株元)



12月の様子



植え付け(鉢、土)

買っていた時に植わっていた鉢では小さすぎるので育てる為の鉢に植え替えると良いと思います。

7号鉢に植え替えた開花株


鉢のサイズは7号(直径21cm)ぐらい、土は市販の草花用培養土を使います。

草花用培養土の一例


市販の用土は商品によってかなり性質が異なります。水はけが良い土に植えるのが大切です。

赤玉土などを混ぜると水はけの改善になります

来年も咲かせるためには、とにかく水はけの良い土に植えるのが肝心なようです。
土はある程度、品質の良いものを使うのがお勧めです。(ロングスリット鉢など)

鉢は、高さのあるものがお勧めです。草丈のあるラックスとのバランスが良いと思います。

高さのある鉢の一例(ロングスリット鉢)


水やり

暖かい時期は乾いたらたっぷりが基本です。
冬も基本的には乾いたらたっぷりですが、夜温が氷点下になる事が分かっていれば多少控えめにしたりなど、調節すると安心です。

水は株元に与えます


使っている鉢のサイズや材質、使っている土の性質、置き場所によって乾き具合も様々です。
自分の目で見て、手で触って、持ち上げて、大袈裟ですが私はラックスと対話するような気持ちで水やりしています。


肥料

植え付け時には元肥を使います。マグアンプKやマイガーデンが有名ですが、パッケージに元肥と書かれているものなら使えます。

元肥の一例

ただし、直接根に触れても肥料焼けの心配が少ないものと、そうでは無いものがあります。植え付けに自信の無い方や、手間を掛けたくない方は、直接根に触れても心配の少ないものを使う事をお勧めします。

使い方はあらかじめ土に混ぜるのが基本ですが、商品によっては地面にばらまく使い方も出来ます。
私は何となく事前に混ぜ込む方が安心感がありますが、事前に混ぜるのを忘れがちな方は、ばらまくタイプが便利かもしれません。
パッケージを確認してご自分のスタイルに合ったものを使ってください。

なお、市販の培養土には既に肥料が配合されている事が多いです。私はそんな場合でも更に自分で元肥を入れています。

市販の培養土には肥料が配合されている事が多いです

比較実験したことが無いので、自分で元肥を入れる事に効果があるのか無いのか分かりませんが、少なくとも入れる事での害は出ていません。
私は肥料切れを防ぐ為に入れていますが、入れなくても大丈夫かもしれません。


植え付けからしばらくしたら肥料を追加します。
これを追肥(ついひ)と呼びます。
追肥にはいくつか方法がありますが私のおススメは置き肥と液肥の併用です。

固形肥料の置き肥(白い粒)

液体肥料のみだとついつい面倒でやらなくなってしまったり、雨が続くと与えるタイミングが減ったりしてしまうので、置き肥で常に肥料分が鉢にあるようにしておいて、スポット的に液体肥料を与えると良いんじゃないかなと思います。

液体肥料の一例

液体肥料はリン酸分の比率が多めのものを使います。
商品名で言うと「ハイポネックス」や「花工場」が有名ですが、それに限らずホームセンターオリジナルの液体肥料なども売られています。
何種類か使ってみましたが、キャップの開閉のしやすさ、注ぎやすさ、パッケージの劣化のしにくさ、など総合的に判断すると、やはり有名メーカーの定番品は使いやすいと感じています。
価格とのバランスでお好みのものを選んでください。


置き肥はパッケージを見て効果が続く期間を確認して、生育期間中効果が持続するように与えます。

持続期間は商品によって異なります


ただし、夏の休眠中には肥料を切りたいので、お花が終わる頃には肥料も切れる様に注意します。
ですので私は、効果が何か月も続くようなものよりも1か月で効果が切れるものを愛用しています。

休眠期には肥料が切れるようにします


秋、再び芽吹いたら肥料を開始します。

秋の芽吹き


最初は薄めの液体肥料から与えます


しばらくしたら置き肥も開始します。
ラナンキュラスは冬も生育しますので置き肥とたまの液体肥料を続けます。


病害虫対策

うどん粉病の葉っぱ

ラックスに限らずラナンキュラスはうどん粉病になりやすいです。
事前にうどん粉病に効く薬を用意しておく事をお勧めします。

我が家の場合日当たり、風通しともにそれほど良くないのでほぼ100%うどん粉病が出てしまいます。

また窒素分の多い肥料の与え過ぎもうどん粉病の原因になります。

出てしまってから慌てて薬を買いに行くよりも事前に準備しておく方が良いかなと思います。


植え替え・株分け

株分け

ラックスが成長して鉢が狭くなってきたら鉢増しや株分けをします。

株分け後



逆に調子が悪そうで根が少ない株は鉢を小さくします。土の容量を減らす事で乾きが早くなります。

病気で不調の株。葉っぱが少ないです。


根も少ないです

乾湿を繰り返す事で根が成長するので、小さな鉢に植え替える事で回復が促されると考えています。



なおラックスには種苗法で守られている品種登録された園芸品種があります。
品種登録されたものを株分けして販売するのは違法です。株分けが成功したとしてもご自分で楽しむ範囲に留めて下さい。園芸業界に正しくお金がまわる事で私たち一般消費者にも、育て易い品種の開発など、恩恵があるはずです。


植え替えてリフレッシュした株


購入~夏越し~開花の記録

最後までご覧いただきありがとうございます。
皆様のラックス栽培の成功を願っております。

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