#69 飯を味わっているか
わたしは、飯を味わっているだろうか。
美味しいと感じるものは多いけれど、人とご飯を食べにいく、となると、その 人 と話すことがメインになって、
飯の味をあまり覚えていない。
後になればなるほど、
美味しかった 不味かった(不味いことって人生で3回くらいしか無かったけど)
くらいしか覚えていない。
社会人になってから、ひとりでご飯を食べに行くことが増えて思った。ひとりの時ってご飯に集中できる(するしかないとも言える)からとても味を覚えている。
味わいながら、食べることが出来る。
「忘却のサチコ」や「失恋めし」、「名建築で昼食を」など美味しそうにご飯が登場する映像作品が好きだ。
更に最近「孤独のグルメ」を見始めて、飯に集中して、神経をめぐらせてお店を巡るって、実に健全でおもしろくて、好きな冒険の仕方だなあと再確認した。
最近素敵だなあと思った人に、オススメのご飯屋さんを聞いてみた。そしたらすぐにカレー屋さんが返ってきたので、
次の週に足を運んだ。ひとりじゃなかったけれど、飯をメインに考えて行ったら、不思議と居心地も話がメインの時より良かった気がする。
それでいて、味に集中しながら、「2種合がけのうちのこっちの方はだいぶスパイスが効いているなあ」とか、「トッピングした温泉卵が辛さをマイルドにしてくれていい感じ」とか、
脳みそに感想を持ってカレーに真摯に向き合って食べることができた。カレーもその方が嬉しいよね。私も嬉しい。
カレー屋さんの店主にオススメのカレー屋さんを教えてもらい、すぐさまメモをした。
こうして数珠繋ぎでおいしいお店を探索できるのも、なんだか良い。
味わって味わって、真の"おきにいりカレー"を見つけたいものだ。