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私とマルチとお料理教室
ウン10年前の話。
小学校からの唯一の友人(現在は生存確認のみしかしてない)に料理教室行ってるとの報告を受けた。
なんとワンコイン500円で参加できる。しかも、試食ありとの事でミーハーの私は誘われるがまま飛び付いのだった。
開始時刻は夜7時
遅くね?
まあ、社会人とかリア充大学生とかが参加するからそんなもんか〜と思い友人に連れられるまま歩く、歩く…
到着したのが
マンションの一室。
公民館的なとこかと思ってたけど、まあ、個人でなんかやってんのかなって入室。
が、そこには溢れんばかりの意識高い系女子がみっちり。
え?入れる?いや、入ってんだけど。
私みたいなクソカスニート入って大丈夫?
と一抹の不安を抱えるが
友人はいつもの通りと言う感じで、意識高い系女子たちと挨拶を交わす。
そして、クソカスニート陰キャの私にも
はじめまして〜☆
今日は楽しんでってね!
みたいなノリ。あ、だめ、ムリ。陽キャと言うか日陰もんには辛いもんがある。
とは思っても500円でうまい飯を食えると言うので
頑張ってなけなしの言語能力で挨拶をする。ああ、なんて健気な私。
そして、講師?先生?
小綺麗なお姉さまが、
じゃあ、始めますよ〜と声をかけると一同は並べられた椅子へ着席。
友人からペンとルーズリーフを渡される。
レシピ等のプリント類の配布はあったかなかったか覚えてない。
本日はチキンライスだそうな。アジア系の料理は甘くて酸っぱくて辛いだったか。
なんかそんなこと言ってた。
いざ、始まると
講師?の話の相槌を生徒たちが真剣に
「へ〜」
だとか
「うんうん」
とか
え?事前練習あった?
と示し合わせたかのようなリアクション。さながら、講師に気持ち良くお話していただくような空気感。
平素から空気が読めないとか空気を察する事ができない私でも異様な状況だと言うことだけはわかった。
稲川淳二ばりの
なんかおかしいな〜こわいなこわいな〜と思っていると
無事チキンライスが出来上がった。
みんなでお茶碗一杯分もないようなチキンライスを食し
雑談。友人の先輩となる人と話す事となった。
先輩は優しく親しみやすい方だったので素直系女子で定評のある私はうっかり
「なんか、マルチとかそんな感じのノリっぽかったっすねw
あ、ちょっとトイレ行きます」
と空気を読めない発言をし、トイレへ
トイレには
ア☆ウェイの洗剤がドン!
空気読めない私「あっ…」
マンションの一室
女子たちが同じロゴのボトルに水
講師へのリアクション
マルチみたいっすねの発言を聞いた先輩の曇った顔
覆しようのないアム☆ェイのラベルの巻かれた洗剤ボトル
ミステリー小説で伏線が回収されるような気持ちだった。
トイレから出ると気にもしてなかったが、通路にはダンボールがそこここに。
ロゴはお察し。
ああ、無知とは罪なのか。はたまた罰なのか。
友人はまだ会合に参加してるけどどうする?って聞かれたのでログアウト一択。
先輩「近くの駅まで車で送るよ」
私「い、いいい…」
友人「あ!お願いできますか〜?」
私(いらんことを…)
そして車の中で
マルチとかじゃない。生活とか生き方とか勉強になる。
興味があれば、
ま た お い で
その後友人から何かしらの勧誘を、受けるとかそういうのはなかったし
料理教室は二度と行かないと誓った若かりし日の思い出。
おしまい。