
am8:30の1ST KISS
のんびりのん子です。週中に祝日があると贅沢な気持ちになりますね。火曜日は朝から映画を観に行ってきました。朝活映画です。
映画が良すぎて、、帰ってきてからも余韻がすごいです。(その夜からなんかちょっと体調がよくなくて小休止してました。今は元気です!)ということで、いつもはお店や自分のことを投稿していますが、今回は朝8:30から観た映画「1ST KISS」について書かせていただきます。

まず、この映画は監督が塚原あゆ子さん、脚本は坂元裕二さんということで、昨年からずっっっと楽しみにしていた映画でした。塚原あゆ子さんは昨年公開されたラストマイルの監督です。坂元裕二さんは大豆田とわ子と三人の元夫だったり、カルテットや最高の離婚など大好きなドラマの脚本を書かれていて、そのセリフや日常の切り取り方が本当に独特で素敵なんです。あらすじをぺたり。
結婚して15年になるカンナは、ある日、夫の駈を事故で失ってしまう。
いつしか夫婦生活はすれ違っていて、離婚話も出ていたが、思ってもいなかった別れ。しかしカンナは、駈とこちらも思ってもいなかった再会を果たす。しかもそこにいたのは、初めて出会ったときの駈。
ひょんなことから、彼と出会った15年前の夏にタイムトラベルしてしまったカンナは、若き日の駈を見て思う。やっぱりわたしはこの人が好きだ。まだ夫にはなっていない駈と出会い、カンナは再び恋に落ちる。
時間を行き来しながら、20代の駈と気持ちを重ね合わせていく40代のカンナ。事故死してしまう彼の未来を変えたい。過去が変われば未来も書き換えられることを知ったカンナは、思い至る。わたしたちは結婚して、15年後にあなたは死んだ……だったら答えは簡単。
駈への想いとともに、行き着いた答え。
わたしたちは出会わない。結婚しない。たとえ、もう二度と会えなくてもーー 。
楽しみにはしていましたが、正直、タイムトラベルものかあ…恋愛メインの映画があ…とかあらすじを観て自分には刺さらないかもなあと思ってしまっていたのですが、結果、めちゃくちゃに刺さりました。明かりがつくまでに涙と鼻水を拭かないとまずいと思って、途中でティッシュをカバンから取り出すくらいには泣きました。帰ってきてからも他の方のレビューを読んで思い出しては泣けてきて。何が良かったか思い出しながら書こうと思います。これから観るよって方でも読んでいただけるように完全なネタバレはしないように心がけるのですが、あまり先入観を持たないためにもこの先は映画をご覧になってから読んでいただくことおすすめします。(矛盾した思い。笑)

でた、坂元裕二節!
坂元裕二さんのセリフってなんでこんなに素敵なんでしょう。日常の中で見逃してしまうような場所を切り取ってわかりやすくみんなに伝えてくれる感じが本当に素敵です。あと時間がミルフィーユ理論は大豆田とわ子の作品中でも出てくる話で、一貫してそのメッセージを伝えているところも素敵だなあと思いました。どれだけの人がこの考え方に救われただろうと思います。
可変の未来、変わらない未来
これはもしかしたら賛否あるかもしれません。トウモロコシが皮のまま茹でられたり、非常ボタンを押すことを覚えたり、そういうのは変えられるのですが、でも色んな意味で肝心なところは変わらない。都合が良く感じる人もいると思うけど、個人的には観ている人が気持ちよく感じる設定になってるんじゃないかなあ、と思います。なんだろう、変わらないでほしいという部分だけ変わらない感じ。ただ、だからって他の部分がなければ冷めてしまう設定なんですが、この設定が受け入れられるようなストーリー、メッセージになっていることが素晴らしいなあと思うわけです。
恋愛感情と靴下の片方はなくなるもの
結婚観が語られる映画において、結婚は「良いものだ」「悪いものだ」という白黒をつけがちな気がするのですが、この映画の中ではわりとその境界が曖昧だったように思います。それもあって結婚していない私にも響いたのかなあ、と思いました。私は自分が結婚に向いていないと思うのは、相手に自分の生活を押し付けてしまったり、自分が我慢しすぎてストレス過多になったり、バランスがとれなくなるんじゃないかなあと思うからです。この映画のふたりのように好きだった相手とうまくいかなくなることを想像してしまうんですよね。結婚しなければいつでも別れられるという状況なので、相手に甘えすぎない、甘えさせすぎない、お互い距離をとって生活できるのではないかと思っているのですが、なんか、そういうことじゃないなあと思ったりしました。大切な人はどういう関係になっても根っこの部分で大切なことは変わらないんだなあと改めて思いましたし、甘えるとか甘えないとかではなくちゃんとお互いが心地よくいられる努力をすることが大事なんだよなあと、思いました。なんで人間はこんなに簡単なこともすぐに忘れてしまうんですかね。パートナーだけではなく人間関係すべてにおいてこの気持ちは忘れないようにしよう、と思います。
さいごに愛している人に送りたい言葉
手紙って、、ずるいですよね。駈がカンナに送った手紙が良すぎて思い出すだけで涙がでてきます。あんなに愛されていることが伝わる手紙を誰が書けるでしょうか、いや書けない。(かける、だけに。笑)ここでも坂元裕二の本領発揮。相手のちょっとダメなところだけど愛おしいところの抜き出しが上手すぎる。。そして極め付けのさいごの言葉。私はこの手紙の最後の言葉が大好きです。当たり前で当たり前じゃない。そして、いつまでもあなたのことを思ってそばにいるよということが伝わる言葉で締めくくられます。このお手紙の全文がどこかで読めないかなあ。何度も読み直したいお手紙だなあと思いました。

書きながらまた少しうるうるしてきています。笑 本当にいい映画でした。書ききれていないこともたくさんあります。観た後に自分の近くにいる人に優しくなれる映画です。
また、片思い世界という映画も坂元裕二脚本で出ますのでそれを楽しみに生きていこうと思います。あとは国宝と楽しみだし、ポン・ジュノ監督の新作も出るんだなーと思って楽しみです。新着映画情報好き。
今回もここまで読んでくださりありがとうございました。