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『世界のお料理』の話・カレー編

10月の第2週末はスリランカのカレー

40年近く前、店主がオレンジのランドセルを背負っていた頃。
季節のご挨拶で届いた箱の中にあったのはセイロンティー。
スリランカという霧に包まれた茶畑のある島国のお話が
整然と収められたティーバッグと共に小さなチラシに書いてありました。
「大人になったら絶対お茶畑を見に行きたい!
 だってこんなに美味しい紅茶ができた場所なんだし、
 きっと素敵に違いない!」
きっとこれが一番最初の地域名を認識した
<胃袋を掴まれた事による、他文化への興味>
だったのかも知れません。
その後、ずっと記憶の隅っこに燻っていた夢の地への想い。
今思うと、まだまだ内戦の真っ只中だった地域もあったに違いありません。

憧れていたスリランカにようやく降り立ったのは2017年末。
ちょうどその年の初め、心配なニュースが飛び込んできて
なるべく急いで行かなくちゃ!とバタバタと準備をして
勝手もわからない初めての入国が深夜便で珍しく緊張もしつつ
入出国を含め5日間しかない短い期間ながら、
思う存分有名紅茶産地を駆け足で回ったのでした。

お茶所の各地区は標高も様々で
晴れているのに霧シャワーの中にいるほど湿度が高くベタついたり、
からりとして水分補給用に特産の椰子ジュースを頼んだり。
2、3時間の車移動で肌寒さに耐えれず、上着を買ったことも。
行きたかった地域は全部回れなかったので、
また機会があれば今度は年末じゃなく、
天然バニラの旬だと教えてもらった10月ごろに行こうと思っています。

「スリランカってインドみたいな3食カレー?
一体どんなものを食べてるの??」
と、なんでも気になる店主の質問攻めにあっていた
スリランカ旅でお世話になった現地の運転手さん。
最高のサポートをしてくれながら、
各地域の名産品や郷土料理の説明もたくさんしてくれました。

一般の人たちが訪れる市民市場では
「あれ?知ってるぞこの匂い!」
という一角があり、本能的にお醤油が欲しくなったり。
輸出国モルディブの名前がついたモルディブ・フィッシュは
マグロで作った鰹節みたい(無発酵)な乾燥したやつ。
初めて口にするのに、とっても懐かしい風に感じる不思議。
きっとそういうよく似た加工品や素材を胃袋の記憶?に
伝達してるからなんじゃないかと思います。
副菜は付いていますのでお腹ぺこぺこでもご安心を。
相盛りにもできますので、ご注文時にお知らせください。
あれこれ好き嫌いなく食べていただけたらと思います。
治療中で摂取できない、食品アレルギーや宗教上の理由など、
避けたい食材がある方はご遠慮なくご相談ください。
その場合はスリランカメニュー以外になるかも知れませんが
できる限り対応させていただきます。

お品書き

豆のカレー

実はリクエストいただいたので、今回スリランカカレーになりました。
<ダル>=<まさにカレー国民にとってのみそ汁>
と呼ばれて久しい豆豆煮込み。
現地ではダル以外のおかずもご飯にかけて、
まぜこぜにして食べるのが最高!(お行儀も悪くない)で
正統派なんだとか。

鶏肉のカレー

今月末のイギリスごはんが豚肉推しの予定なので、
鶏肉のカレーに変更しました(本当は豚肉だったんですが)
なんちゃってスリランカ風で生姜を効かせてさらり、
お野菜もたっぷり入れてほろりと柔らかく煮込みます。

デザート

ワタラッパン
ココナツミルクと茶色いお砂糖(本来は孔雀椰子の蜜)、
カルダモンとナツメグの香りをまとわせた蒸しプリン。

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