単純化ばかりの時代に知っておいてほしい、「感情の細分化」の話
突然ですが、ちょっと恋バナします。笑
僕の職場には、学生向けの勉強場所が併設されています。コロナ前は、そこに通ってくれる学生と毎年仲良くなって、みんなで飲み会することが時々ありました。
数年前、そこで学生からこんな相談がありました。
「恋人に浮気されて別れた。やり直そうと言われて、悩んだ結果断った。よく考えるとまだ好きなので、なんで断ったのか自分でも分からずモヤモヤする。」
こんな話でした。
この時、学生と一緒に悩みながら僕が話したのは「感情の細分化」の話。
恋愛で言えば、「好きか嫌いか」にしがちですが、その間には実は無数の感情のグラデーションがあります。
例えば、「好きだけど(気持ち的に)一緒にはいられない」とか、「付き合いたいわけではないけどやっぱり好き」とか。
彼の場合で言えば、彼はまだ元恋人を好きな気持ちがあった。でも、もう一度信頼関係を築くのはその時の彼にとっては難しかった。
「好きなのにやり直さない、この気持ちはなんだろう」というモヤモヤの正体は、じつは「好きだけど、やり直したいわけではない」という気持ちだったようでした。
正確には、その細分化された自分の心がわからずに「なんで好きなのにやり直すことを断ったんだろう」と感じてしまうことが、モヤモヤを産んでいたんですね。
なんか、わかりやすいかなと思って書いてるのですが、公に恋バナするとか恥ずかしいですね。笑
それはさておき、個人的には社会がどんどん「単純化」されているように見えるのです。あるいは、単純に見せることを求められているような。
だけど、本当はいろいろなことがもっと複雑で、特に僕たちの心の中って「やるかやらないか」「続けるか止めるか」「好きか嫌いか」みたいな単純な答えにはならないですよね。
恋愛に対しても、進路に対しても、気持ちは複雑だし、複雑でいいし、よくわからないし、よくわからなくていいと思うんです。
よくわからない自分の感情や心を、無理に単純化しないことの方が、ずっとずっと大切です。
無理に単純化してしまうと、もやもやが残って苦しくなりますよね。
それよりも、「よくわからない」を受け入れて、そういう自分の気持ちを肯定してあげて。ゆっくり時間をかけていいから、感情を細分化して理解するといいと思います。
細分化できると、その感情との付き合い方も自然と見えてくるはず。
ちなみに冒頭の恋バナは、結局話してくれた学生が「あ、俺好きだけどやり直したいわけじゃないんだ!好き=付き合うかと思ってました。」とスッキリしてました。スッキリした勢いで飲みすぎて、その後別の意味でスッキリしてました。そんな彼の背中をさすりながら僕はモヤモヤしました。
だれかその時の僕のモヤモヤを細分化してください。
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