ゲーム紹介:ペーパーテイルズ:伝説を創る者
どんなゲーム?
『ペーパーテイルズ:伝説を創る者』は、『ペーパーテイルズ』の2つ目の拡張です。
今回の拡張では14種類の新ユニット、3種類の新建物、さらにアーティファクトという新タイプのカードが9種類入っています。
まずは、はじめましての方もいると思いますので、基本セットの説明からさせていただきます。すでにご存じの方は読み飛ばしていただいてかまいません。
ペーパーテイルズ(基本セット)の紹介
『ペーパーテイルズ』は日本人デザイナー上杉真人さんが2010年にインディーズで発表した『ヴォーパルス』を、Catch Up Gamesが2017年にリメイク・出版した作品です。
弊社が初めて日本語版制作を手がけた作品になり、日本では2018年に発売されました。
プレイヤーは一国の王となり、ユニットや建物を増やし自分の王国を隆盛に導くことが目標です。雇用したユニットは兵力や資源を提供してくれるのですが、ユニットにはそれぞれ寿命があります。ユニットは寿命によって去って行くため、どんなに強力なユニットを雇用したとしても、世代交代を常に求められます。この世代交代が独特な体験を提供しており、綿密な計画性や状況ごとの対応力が求められるゲームとして、2023年現在でも多くのファンがいる名作です。
すべてが同時プレイで進行するため、基本だけでも2〜5人までで30分ほどとテンポよく遊べるゲームになっています。1つ目の拡張『ペーパーテイルズ:禁域への門』を追加することで、プレイ人数の幅が1〜7人まで増えますが、プレイ時間は変わらず遊ぶことができます。
新タイプ「アーティファクト」カードの追加
まずは今回の拡張セットの目玉とも言えるのが、新たに追加される「アーティファクト」カードです。
アーティファクトカードはユニットと同様に山札に混ぜて使うため、ドラフトで選ぶカード候補の1つになります。またユニットと同様に自分の王国に配置して使うのですが、ユニットとは別枠で、建物のように並べて配置します。配置コストも建物のように1枚目なら1金、2枚目なら2金…となってます。しかも、アーティファクトは下記の写真のような「物体」のため寿命はありません。経年カウンターが置かれることはなく取り除かれることがないため、1度配置したら最後まで恩恵を与え続けてくれます。
アーティファクトはこれまでの戦略をより強固にサポートしたり、戦略の弱い部分を埋めるのに使いやすいカード群になっています。
14種類の新ユニットの追加
これまでの戦略をさらにパワーアップさせるユニットが追加されます。
食料🥩1つにつき兵力+2の能力を持ちながら、自力での食料🥩生産能力もある「狼の群れ」。
8金と莫大なコストの「タイタン」は、8兵力でレベル2建物建設能力とすべての資源を生産する能力があり、たとえカード運が悪く出遅れたとしても「タイタン」さえあれば逆転の可能性がありそうです。
また、前述のアーティファクトがあることで能力が強化されるユニットもいるため、どのユニットをドラフトするかのジレンマがより楽しめます。
3種類の新建物の追加
木材🌳から勝利点を生み出す「製材所」やユニットのコストの種類によって勝利点を生み出す「宿屋」、アーティファクトから勝利点を生み出す「王宮」などが増え、戦略のバリエーションが大幅に増えました。
拡張1と併せる場合、基本建物4種類とランダムな3種類の建物を使用するため、毎ゲームごとに違った戦略が求められます。
プレイ時間は増えるのか?
増えません!
カードの種類が増えますが、ゲームの進行は基本セットと同じためプレイ時間は増えません。純粋に、より増えた戦略のバリエーションをお楽しみください。
こんな人には合わないかも…
あくまでも拡張セットのため、『ペーパーテイルズ』基本セットが合わなかった方には合いません。
最後に
『ペーパーテイルズ』は上杉さんの初期の頃の作品です。最近ボードゲームを始めた方などは上杉さん作の『破宮の十重奏』や『ボルカルス』などは遊んだことがあるけど、『ペーパーテイルズ』は遊んだことがないという方もいらっしゃるかと思います。これを機に遊んでみませんか?
ゲーム名:ペーパーテイルズ:伝説を創る者
プレイ人数:1~7人
対象年齢:12歳~
プレイ時間:30分
参照したゲーム
『ヴォーパルス』
https://boardgamegeek.com/boardgame/130548/vorpals
『破宮の十重奏』
https://boardgamegeek.com/boardgame/381723/dungeon-dectet
『ボルカルス』
https://boardgamegeek.com/boardgame/298678/vulcanus