ゲーム紹介:アーキオロジック
こんにちは。
Engamesで制作開発チームでマネージャーをしています橋本と申します。
今回は2023年エッセン新作としても現地スカウトアクションにも名を連ねた『アーキオロジック』という推理ゲームをご紹介いたします。
FAIRPLAY Spielemagazin (@FairplayMagazin)より画像引用
どんなゲーム?
山奥に眠る古代都市が発見されたが、未だに誰もその都市構造を把握できてはいない。
考古学者の君には、その都市構造を解読するミッションが与えられた。
君のミッションの助けとなるのは、暗号を解読するための唯一の道具であるアーキオスコープだ。
アーキオスコープが示す手がかりをもとに、君のすぐれた推理力で都市構造を解明し、この謎めいた場所の地図を完成させてほしい。
正確な地図を持たずに探検をすると死を招く危険があるのだから......
『アーキオロジック』は古代遺跡の都市構造をいち早く解明することを目指す対戦型の推理ゲームです。
都市全体はボードで、都市を形作る建物は6つのポリオミノタイルで表現されていて、これらの正しいレイアウトを推理します。
都市構造を推理するにはアーキオスコープという解読機に都市構造について質問し、得られた情報を元にタイルを正しく配置します。
アーキオスコープには特殊な構造の穴が多数空いています。質問に合わせた向きで、アーキオスコープと暗号カードを重ねると2〜3つの穴だけが覗け、質問に対しての情報を得られます。
手番ではアーキオスコープを用いて質問を行うか、正解が分かったと思ったら正解の確認をします。これらのアクションを行うためには「時間」が掛かります。
『アーキオロジック』ではタイムトラックによって手番が決まり、より後ろにいるプレイヤーが手番を行います。詳細な情報を得られる質問には多くの時間が掛かり、タイムトラックはより先のマスへ進んでしまいます。タイムトラックが先にいるほど手番が回ってくるまで時間が掛かるため、質問の仕方には注意が必要です。
タイムトラックを用いた他のゲームでは『パッチワーク』や『グレンモアⅡ』があり、手番順のマネジメントも必要になってくるゲーマー好みのシステムです。
質問は「列」と「内容」の2つを指定します。
都市を表すボードには5X5マスがあり、それぞれの列に1~5やA~Eといった名前がついています。「列」はこの10列のどこを対象にするかを選びます。ただし、遠くの列を選ぶ場合には多くの時間が掛かります。
「内容」の聞き方は大きく分けて4種類あり、より詳細な質問ほど多くの時間が掛かります。
例えば、「Cの列」と「L字タイル」を指定した場合、下記のような情報を得られます。情報の・はそれが含まれていないことを示し、青はタイルの青シンボル部分が列に含まれていることを示します。
L字のタイルには赤シンボルが1つと青シンボルが3つあります。
この情報から「Cの列にはL字タイルの青シンボルが2つ含まれている」ということが分かります。完全に正しい位置自体はまだ分かりませんが、下記のような状態でL字タイルがCの列にあることが推測できます。
このように質問を繰り返して、すべてのタイルの正しい配置を推理します。
正解の配置が分かったと思ったら、正解の確認を行います。
説明書にある正解を確認し、タイルをすべて正しい位置に置くことができていれば勝利です。
ただし、間違っていた場合そのプレイヤーは敗北します。
慎重に多くの情報を集めることも必要ですが、対決なので時には大胆に勝負にでることも必要なのです。
おすすめポイント1
『チューリングマシン』作者の新作!
対戦型の推理ゲームでは最近発売された『チューリングマシン』が人気ですが、『アーキオロジック』も『チューリングマシン』と同じ作者Yoann Levetの作品です。
『アーキオロジック』が『チューリングマシン』と大きく違う部分は、タイムトラックによる手番順マネジメントです。
手番順があることでダウンタイムが長くなりゲーム体験が悪くなりがちですが、『アーキオロジック』では他のプレイヤーの手番でもタイル配置を考えることに夢中になり、ダウンタイムは大して気になりません。反対にじっくり考えたい人にはより向いている推理ゲームの1つです。
また、クリティカルな質問をすると多くの情報を得られるという、推理ゲームにおける気持ちいい瞬間も仕込まれていて非常に遊びやすく、カジュアルに推理ゲームを遊びたい方にはオススメです。
おすすめポイント2
推理パズルなのに何度も遊べる
暗号カードは28枚ありゲームごとに1枚使用します。単純に考えると28パターン遊ぶことができます。さらに初期ヒントを変えたりアプリを使うことで何度も遊ぶことができるよう工夫されています。
アプリを使った場合のみ挑戦できる「エキスパートモード」もあります。通常ゲームの初期ヒントとは全く異なるタイプのヒントが提示され、それを解き明かします。通常ゲームでは物足りなくなった推理ギークの皆様は是非挑戦してください。
アプリでは他にも「デイリーチャレンジ」や「デイリーパズル」がありますので、1度ご確認ください。
また正解の確認もアプリを使って行うことができ、その場合は不正解だったとしても一発敗北はしません。アプリを使うと不正解でどこが間違っているかを部分的に知ることができ、そのままゲームを継続できます。
おすすめポイント3
ソロ需要にも対応
『アーキオロジック』はじっくり考えたい人に向いている推理ゲームです。当然、ソロモードもついています!
ソロモードではタイムトラックを用いて正解までにかかった時間(手番のアクション数)によって評価を得られます。
暗号カードごとに評価難易度も異なっているので、是非挑戦してください。
こんな人には合わないかも…
『アーキオロジック』は「この列にはL字タイルの青シンボルが2つ含まれているということは、L字タイルの向きは2パターン。ただボードの右側には他のタイルが確定しているから、L字タイルは左側のこの辺りの位置に来る。そうなると……」といった推測をゲーム中に個人個人で展開していきます。
論理的な思考が求められる推理ゲームですので、そのようなゲームが苦手な方には合わない可能性が高いです。
最後に
『アーキオロジック』は比較的カジュアルな部類の推理ゲームになります。考えている盤面も他の人からは見えませんし、進捗具合も分かりませんので自分のペースで考えることができます。
また質問できる列も手番ごとにずれるメカニクスが採用されているので、人によって得られるヒントも自然と異なるようになっています。そのため、いち早く正解するためには運が必要な場面もあり、推理ゲームが苦手な方にも比較的オススメしやすいゲームの1つです。
一般発売は12月22日、価格は税込み5,500円になります。
ゲーム名:アーキオロジック
プレイ人数:1~4人
対象年齢:12歳~
プレイ時間:40分
参照したゲーム
『パッチワーク』
https://boardgamegeek.com/boardgame/163412/patchwork
『グレンモアⅡ』
https://boardgamegeek.com/boardgame/265188/glen-more-ii-chronicles
『チューリングマシン』
https://boardgamegeek.com/boardgame/356123/turing-machine