#67 【英語学習】Rの発音 by Erik Singer
ワイアードのテクニック・クリティーク(Technique Critique)シリーズでは、映画やドラマでのシーンを、各ジャンルの専門家がシビアに批評する、というものです。
「こんなカーチェイスは、実際に可能なのか?」「外科手術での心臓バイパス手術が6時間48分という設定は妥当か?」のようなことについて、実際の映像の後に、その道の専門家が検証します。
中でも面白かったのが、方言・発音コーチのエリック・シンガーさん(Erik Singer、エリックのスペルがcではなくkです)。
トルーマン・カポーティやネルソン・マンデラなどの実在の人物を演じた俳優が、喋り方を真似るのに果たして成功したのか?
架空の人物を演じた人気スターは、アメリカ南部、アイルランドなど、その役の人物になり切り、訛りまで再現できたのか?
こちらのシリーズでは、実際の演技のクリップを見た後にエリックさんが批評しているので、その俳優がどのくらい役作りに成功したかが、バレバレです。
とはいえ、”実用性”を考えると、俳優批評シリーズは、私達日本人が英語の発音をブラッシュアップするために参考にするには、難易度が高すぎます。
他に何かないかな~と見ていたところ、アメリカ英語におけるRの発音の仕方、を紹介していました。
アメリカ英語でのRの発音
3分37秒から、「アメリカ英語のRはなぜ発音しにくいのか」の解説です。
American English has a really weird "r" sound. This "er" thing that you do when you bunch up your tongue.
(アメリカ英語には、すごくヘンなrの音があります。”er”の音は舌を収縮させて作ります。)
This is a really weird sound. It barely exists in any other language on earth.
(これは本当にヘンな音で、地球上の他の場所には存在しません。)
Really mastering this kind of "r" sound and being able to slot it fluidly into a flow of speech is one of the hardest things for an actor to learn when they're learning American English.
(俳優がアメリカ英語を学ぶ時、"r"の音をマスターし、かつ喋りの中に的確に滑り込ませられるようにするのは、最も難易度が高いことです。)
In fact, native speakers of American English find it really hard, too.
(実は、アメリカ英語のネイティブスピーカーにとっても、これは難しいことなんです。)
It's one of the very last sounds that a child learns, and kind of masters.
("r"は、喋り方を覚える子どもが、最後にマスターする音なんです。)
So why is it so hard? It turns out it's really complicated. It's a weird set of things we're doing with our tongue when we make that sound.
(なぜ難しいのでしょうか?複雑だからです。その音を作るのに、舌はヘンなことをいくつもしなくてはいけないからです。)
Mostly, the weirdest thing, is that the sides of the tongue are sort of coming up. You can imagine, if I'm a tongue, and raising my shoulders. The sides of the tongue will come up and they'll make contact with the upper teeth, the molars and the bicuspids on either side,
(最もヘンな動きは、舌の側面を上げる、という点です。私を舌だと想像してみて下さい。私は肩を上げなくてはいけないんです。舌の側面が上り、上の歯に触れるようにします。口の両側にある臼歯と小臼歯に当たるようにします。)
and you can have a really strong version of that where they come all the way up inside and even press out against the sides of the upper teeth.
(強い"r"の発音をする場合は、舌が上の歯から外にはみ出ることもあります。)
4分44秒から、real を発話している女性の口の中の超音波映像(注:エリックさんはMRIスキャンと言っていますが、これは間違いだそうです)が紹介されています。
In addition to that, the root of the tongue is often pulling back in, and you can even get a little groove in the back of the tongue.
(それらに加えて、舌の根本を引き下げます。更に、舌の裏面にかすかなうねりを感じるかもしれません。)
いかがでしたでしょうか?
個人的には、”R”の発音よりも、見落とされがちな ”L” の発音をハッキリ、ていねいに発音していく方が、聞き取りやすい英語になるのではないかと思っています。
いがらしじゅんこ:会議通訳者
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