2-4.世界の七不思議
『ごめんなさいフランク。心の準備が出来てなくて…。』
「焦らなくていいんだ、僕は君のためならいつまでも待てる。君が話してくれるまで1ヶ月かかっただろ?」
『ごめんなさい。』
「謝らないで、また次の機会に取っておこう。」
『…あなたならどんな女性も落とせる。たくさんの女性を知ってる。パリにもイタリアにもドイツにも綺麗な女性が大勢いたでしょ?それなのにどうして私なの…?』
「それは、、君が一生懸命働くところが好きだし
君といると自分らしくいられる、君がいつも本当のことしか言わないところも大好き。だから君に質問したくなる。例えば、なんでニューオリンズを出たの?」
『理由はないの…。ただ逃げ出したかった。』
「何から逃げたかったの?」
『…婚約してたの。相手は父の法律事務所の共同経営者の息子。彼あんまり優しくなかった。それでドレスを着た自分の姿を見て結婚したくないって心底思ったの。だから故郷を去った。それ以来一度も帰ったことは無いわ。』
「君が逃げ出してくれてよかった。」
「僕は絶対に君を傷つけない。」
『あなたは世界中を旅するハーバードの卒業生、私はなんでもない。』
「なんでもなくていいんだ。僕はパリなんか必要ない、高級レストランやスポーツカーだっていらない。この世界は全てがただのおまけなんだ。君を見つけ出すためのね。」
世界の七不思議と比べても
君ほど素晴らしい出会いはない
世界中旅して見つけ出せた
居場所は君のとなり
ナイアガラはただのシャワー 壊れて止まらない
ピラミッド しょぼいレンガ積んだだけ
タージ・マハル ボロい家だ
グランドキャニオンはただの枯れた湖
どれもくだらない
世界の七不思議と比べても
君ほど素晴らしい出会いはない
世界中旅して見つけ出せた 居場所は君のとなり
オーロラは見たの? ダサいカーテン
ストーンヘンジ! ただの石!
モアイ像も? 石!
それじゃピサの斜塔は? 手抜き工事だろう?
ラッシュモア山! ただのデカい顔いらない!旅はもう終わりだ 君さえいれば
瞳に灯る愛の軌跡が
「もし婚約したら君はまた家族に会えるよ?」
『やめてフランクからかわないで。』
「君の両親に会いに行こう。僕らが愛し合ってることを伝えなきゃ。」
『父はとても威圧的な人よ。会えばあなたも気が変わるわ。』
「変わらないよ。今夜2人でここを出よう。」
『逃げ出すなんて出来ない、あなたはER室長よ。』
「時間は戻らないよブレンダ。僕は一生医者のつもりは無い、今すぐ君と家族になりたいんだ。」
世界中旅して君を見つけた
満たされる君がいれば
満たされるあなたがいれば
ただ君のそばにいたい…