テート美術館展 光/世界巡回展 - ターナー、印象派から現代へ
国立新美術館で開催中の「テート美術館展 光/世界巡回展 - ターナー、印象派から現代へ」展に行ってきた。2023/7/12-2023/10/2 国立新美術館、その後2023/10/26-2024/1/14 大阪中之島美術館に巡回。
国立新美術館は火曜定休なので、今日月曜は開館しており、先入観で月曜を避ける人が多いから、比較的月曜は空いているかも、と思って行ってみたが、それなりに混雑(まず館外の入場券売り場で結構待った)。お盆休みだもんな。14時ころ入館して、混んでいると言えば混んでいるけれど、鑑賞が辛いほどでもないよな、と思ったが(日時予約制とかにはなっていない)、15時半過ぎに会場を出たら、外に入場待ちの列が出来ていた。
特別展では珍しく、大半の作品撮影可能。しかし、画家が描いた「光」をスマホのカメラでとらえるのはいささか難しい。
英国、テート美術館のコレクションは、英国の画家の系譜、そしてモダンアート。その中から「光」をテーマに作品を選んで持ってきているのだが、全体のイメージは「地味」である。ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーは油彩画3点と、「講義のための図解」という、水彩を中心としたデッサン的なものを11点。ジョン・コンスタブルは油彩画2点と「イングランドの風景」というメゾチント20点、まぁテートっぽい感じではあるし、光の射す感じをあらわす作品ではあるけれど、おとなしい印象。テートと言えばウィリアム・ブレイクでしょ、と思うが2点のみ、テートと言えばラファエル前派でしょ、と思ってもジョン・エヴァレット・ミレイは「露に濡れたハリエニシダ」という焦点のぼけた絵、バーン・ジョーンズは結構素敵な大作だったが1点のみ。ホイッスラーは良かったけれど小品1点のみ、そしてモネやピサロやシスレーも小品。
最初の部屋にアニッシュ・カプーア「イシーの光」(撮影不可)、2つ目の部屋に草間彌生があり、18-19世紀の絵と現代アートのコラボレーションみたいな試みがなされていたが、後半、ヴェロネージ等の写真とか、モホイ=ナジの作品が出てきたあたりから、テート・モダンの本領発揮。マーク・ロスコやヨーゼフ・アルバースも一目でわかるマスターピース。やや唐突感のあるカンディンスキーも1点。ゲルハルト・リヒター、ブリジット・ライリー、ペー・ホワイトあたりで更にコンテンポラリーな感じに。
ジェームズ・タレル(って直島でしか見られないものかと…)「レイマー・ブルー」は、暗い部屋から、壁面に青い四角の描かれた部屋に入って光を浴びて、残像を楽しむ感じだが、部屋の冷房がめっちゃきいていて、まるで冷蔵庫に入っているような作品だった。ピーター・セッジリーの作品は投影される同心円がおしゃれな感じで、ミュージアムショップで丸いモチーフのバッグを売っていて素敵だった。部屋に入って体験するリズ・ローズ「光の音楽」、リリアン・レイン「液体の反射」なども面白かったが、ちょっとオラファー・エリアソンに似た雰囲気?
そして、今回一番楽しみだったエリアソン、時間を区切って展示していた「黄色VS紫」もちょうど映写が始まるところで、回転するレンズ状のガラスが光の投射で壁面に黄色と紫の影を落としている様子が美しく、最後の展示室の「星くずの素粒子」は、それまで写真を撮っていなかった人までが携帯出して写真を撮り始める不思議な情景を醸し出していた。
「光」というテーマで無理やりまとめている感じはあったが、お子様ランチ的に、美術史の一部分をコンパクトにまとめた、面白い展覧会だったと思う。目玉がないので、逆に人の流れがどこかで滞留したりしなくて見やすかったし。
しかしこれ以上混雑するなら、撮影可能エリアはもう少し狭めたほうがいいかもしれない、と思った。
ウィリアム・ブレイクやターナーモチーフのポーチやクッション売っていたり、ミュージアム・グッズは攻めてる感じだったが、でも、絵葉書やクリアファイル含め全般に地味だった...。
外のカフェが、期間限定でウェッジウッドとのコラボになっていたが、テートのイメージとウェッジウッド、そんなに近く感じなかったかも…と最後まで難癖つけて終わる。
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