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ダミアン・ハースト「桜」@国立新美術館
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英国を代表する現代作家ダミアン・ハーストの、日本で初めての大規模個展。カルティエ現代美術財団が昨年パリで開催した展覧会「桜」の国際巡回。
1990年代からYBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)の一員として国際的に名を知られてきたハーストを、国内で見られる機会はこれまで殆どなかった。そういう意味で、「桜」の作家としてのみ知られることになるのでは?、という懸念がなんとなくある。わたし自身もハーストの作品を見るのは初めて。
白いキャンバスにカラフルな色の斑点を規則的に配する「スポット・ペインティング」や、サメや牛などの動物の死体を輪切りにしてホルマリンに保存する「自然史」などのシリーズで広く知られているハースト。10年の歳月を費やした彫刻プロジェクト「難破船アンビリーバブル号の宝物」を経て、2018年より最新作「桜」シリーズの制作を開始。丸3年をかけ、20年11月には合計107点の作品を完成した。
「美術手帖」の展覧会紹介サイトより。今回はその107点の「桜」の中から24点が紹介されている。国立新美術館の現代芸術の展覧会で結構ある、入り口で配布される作品リストに会場マップと作品名が列記され、会場にはキャプションなし、というスタイル。音声ガイドもない。
一般の観覧料は1500円だが、メトロポリタン美術館展の半券を提示すると100円引き。
作品名:「儚い桜」「山桜」(ニ連画)「素晴らしい世界の桜」「生命の桜」(三連画)「神の桜」「母の桜」「幻想的な桜」「夏の桜」「冬の桜」「夜桜」「詩人の桜」「帝国の桜」「早咲きの桜」「祝祭の桜」「真実の桜」「朝の桜」「愛の桜」「知恵の桜」「叫んでいる新しい桜」「花見桜」「この桜より大きな愛はない」「大切な時間の桜」「漢字桜」「神聖な日の桜」(ニ連画、カルティエ現代美術財団コレクション)
素材はすべてカンヴァスに油彩。
会場内撮影自由(動画不可)、遠景から撮ってみたり、絵の一部に寄ってみたりする(接写は不可、となっているが、このポストの後半位まで寄るくらいのレベルだと注意されることはなかった)。
遠目には和紙のちぎり絵みたいにも見える。
実際にはもっと力強い印象。キャンバスの上に絵具の火山がぶつぶつと盛り上がっている感じで、ちょっとゴッホの絵のような風合いもある。
会場でHENI、ダミアン・ハースト、カルティエ現代美術財団によるドキュメンタリー・フィルムも流していて、25分近くある長いフィルムだが、制作の過程、インスパイアされた過去の芸術家についてのコメント等、すべてが興味深く、作品鑑賞の一助になる。
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影響を受けた芸術家の名前としてあがっていたのは、ゴッホ、ボナール、ベーコン、ポロックなど。
大変印象的な展覧会だったが、ここに留まらず、ハーストがこれまで見せてきたものも見てみたいし、逆に今後どういう方向に進んでいくのかも知りたい。
ショップでは図録、カルティエ現代美術財団制作の巨大な画集、ポスター、絵葉書、しおりなど販売していた。
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