静嘉堂文庫美術館@丸の内、響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―
世田谷の結構不便な場所にあった静嘉堂文庫美術館が丸の内に移転してきた。新装開店の展覧会「響きあう名宝ー曜変・琳派のかがやきー」展は昨日から開始。静嘉堂で持っている国宝7点全点展示、という触れ込みだが、実際は前期だけの国宝もあり、一度に全点見るなら前期のうちに!(前期は11月6日まで)。
三菱一号館美術館のあるブリックスクエアと、丸の内仲通りをはさんだ向かい、マイプラザの中に、明治生命館という古い建物が保存されており、その明治生命館の中に、美術館が新設された。日時予約制。中に入ると、ほぼ正方形のホワイエがあり、それぞれの辺から、展示室に入れる構造になっている。展示スペースはそんなに広くなく、展示目録で見たら、通期展示は僅か17点、前期のみが31点、後期のみが32点。入館料1500円は最近にしては安いな、と思ったが、要するに観られる点数が少ないのだ。
通期で見られる国宝は
・倭漢朗詠抄 太田切
・建窯 曜変天目(稲葉天目)
・趙孟頫 与中峰明本尺牘
・手掻包永 太刀 銘 包永 附:菊桐紋糸巻太刀拵
前期のみの国宝は
・伝 馬遠 風雨山水図
・因陀羅筆 楚石梵琦題詩 禅機図断簡 智常禅師図
・俵屋宗達 源氏物語関屋澪標図屛風
第1章 静嘉堂コレクションの嚆矢―岩﨑彌之助の名宝蒐集
茄子型の茶入れが素晴らしい!
第2章 中国文化の粋 第1部 宋~元時代 / 第2部 明~清時代
陶磁器あり、絵画あり。油滴天目が素敵だった。
第3章 金銀かがやく琳派の美
おもったより地味だった印象。
重要文化財の尾形光琳「住之江蒔絵硯箱」は後期のみ展示。
第4章 国宝「曜変天目」を伝えゆく―岩﨑小彌太の審美眼
品のいい陶磁器が並び、真打のように曜変天目。
特別展示
これはホワイエにガラスケースが置いてあった。玉器が素晴らしかった!
ミュージアム・ショップは館外。曜変天目推しで、手ぬぐいとかTシャツとか色々あった。
笑えたのが、ほぼ実物大、曜変天目ぬいぐるみ。現在品切れ(まだ2日目なのに)。5800円。
それから、かなり精巧なレプリカ、198万円。但しこれは陶磁器ではなく漆器。昔、ミュージアムグッズの企画の仕事に絡んだことがあるのだが、オリジナルと同素材のレプリカは、後世、展示物が天災等でショップと混在しちゃった際に混乱を招くので、同素材では作らない、と大英博物館の方に聞いたことがあって、なるほど、と思ったのだが、レプリカ198万円ってどうよ、と思ったなり。
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