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左利きの話

昨夜、NHKでドラマ「古見さんは、コミュ症です。」を見ていた。池田エライザ演ずる古見さんが、黒板に自分の主張を書いているシーンの途中で、テレビの前で寝ていた家人(左利き)が目を覚まし、画面を見るなり「あ、左利きだ」とぽつり。その前数分間画面を見ていたけれど、わたしは彼女が左手でチョークを使っているのを全く認識していなかった。
なんで、左利きの人は、左利きの人を見るとすぐ「左利きだ」って気づくんだろう? うちの子ども(左利き)も、テレビとかで左手でものを食べたり、書いたりしている人を見るとすぐ「あっ左利きだ」って言う。右利きのわたしにはわからなくて、すまん。
(『古見さんは、コミュ症です』第1巻単行本のカバーを借りてきたら、古見さんは右手で書いているな...。そこはキャストが合わせる必要は何もないので、池田エライザの利き手に合わせて撮影したんだろう)

右利きだと、誰もが右手で何かしているような気がしていて、画面上でものを書いたり食べたりしていてもそれがどちらの手であるか気にならなくて、左利きの人に気づかないのかな、と思って、SNSでつぶやいてみたら、「右利きで、左利きの人を見ても気づかない人」(わたしはここ)、「右利きだけれど、左利きの人を見るとすぐ気づく人」、「左利きで、左利きの人を見ると、仲間意識が高まってすぐ気づく人」(わたしの家族はここ)、「左利きだけれど、別に見かけた人が左利きかどうか気になってない人」が、それぞれ存在するらしい、ということがわかった。わたしが気づかないのは利き手について鈍感だからだっただけらしい。一般化してしまってすみません。

うちの家族は、テレビで左利きの人を見ると、あ、左利き、と言うけれど、たぶん、直接左利きの人を見かけて、左利きですね、とは言っていないと思う。直接指摘すると、いやな顔をする人もいるらしい。それも自分では体験していないので、わからないことだった。左利きの人に言われたのなら同士感があって、そんなに嫌ではないのだろうか。別に仲間を求めていない人もいそうだしその辺も謎である。

わたし自身は、子どもが左利きとわかっても、ふーんそんなもんかね、と思って、何も矯正しなかったので、子どもは筆記具も箸も左手で持つ。ボールも左手で投げる。書道だけはどうしても左手だと不便で仕方なく右手で書いていたらしいが、学校で最低限やっただけなので、わたしは現場すらみていない(書初めの宿題とかどうしていたっけな...記憶になし)。音楽の授業で鍵盤ハーモニカをやった時に、キーボードを左手で弾いていたら、それは先生に注意されたが(授業参観のときに目撃)、小学校教師はそんなにいつも目配りしている訳ではないので、おそらく、先生が見ていないと無意識で左手で弾いていたんじゃないかな、と推測する。小学校に入学するときに左手用鋏を買ってみたが、そんなに切れ味よくなかったからあまり使用せず、家にある普通の鋏を普通に使っている。包丁もわたしが使っているのを使っている。おそらく、わたしが気づいていなくて不便なこともあるのだと思うが、そんなに困っているように見えたことがない(わたしが鈍感なだけだったらすまん)。あ、バイキング会場とかでスープをすくうレードル(右手で持つと左手に持ったカップに注ぎやすい構造になっている)には腹を立てているな。

わが家で利き手を意識するのは、みんなで食事に行く時だ。左利きの人は他の人とご飯を食べに行ったり飲みに行ったりすると、右利きの人と肘がぶつからないように、テーブルの左端の席につくようにすることが多いのだが、我が家では、わたしの方が少数派なので、わたしがまず、テーブルの右端に座るようにしている。それも今の家族になってから意識するようになったことで、実家に住んでいた頃はそんなことは考えたこともなかった。

ブレイディみかこ的に言えば、これもまた「他人の靴を履いてみる」ってことなのかもしれない。

#左利き #右利き #古見さんはコミュ症です #池田エライザ #他人の靴を履く

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