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ゴッホと静物画 伝統から革新へ(SOMPO美術館)
SOMPO美術館に、「ゴッホと静物画 伝統から革新へ」展を見にいってきた。会期2023/10/17-2024/1/21、あと2週間。日時指定券の予約を推奨されるが、本日でも、当日券の購入は可能だった。来週以降の週末は、予約分だけでいっぱいいっぱいかも。
SOMPO美術館収蔵の「ひまわり」に、アムステルダムのファン・ゴッホ美術館収蔵の「アイリス」をツートップとしてあしらい、花の絵を中心に、静物画だけにクロースアップした展覧会。ぶれない感じが気持ちいい。元々、2020年に開催予定だったのが、新型コロナの影響により3年間順延された展覧会。
展示品68点のうち25点がゴッホで、すごく充実した印象。
それ以外も、ルノワール、モネ、ゴーギャン、ヴラマンク、シャガールなど、「わかりやすい」感じの画家たちが沢山展示されていて、誰が見ても楽しい展覧会。
17世紀オランダのボデゴン画を何枚か紹介し、その系譜として、ゴッホの絵も紹介。元々人物画に傾注したかったゴッホだったが、色彩研究なども含め、花瓶に活けられた花の絵を、フランスに行った後で描くようになった。
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ファンタン=ラ・トゥールの絵が端正で、静物画の正統、という感じ。
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ドラクロワも。
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その後、様々な花の絵が紹介され(モネの、縦長なグラジオラスの絵が、ちょっと日本の掛け軸風)、朽木ゆり子『ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅』(集英社新書)でも紹介されていた、ファン・ゴッホ美術館の「結実期のひまわり」を見て、
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関連のある、ひまわりをモチーフとした絵画を見た上での、SOMPO美術館の「ひまわり」。描かれたのがひまわりが咲いている季節ではなく、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの「ひまわり」の模写だった、と言われているが、さまざまな花期のひまわりがバランスよく花瓶に活けられた、美しいひまわりたち。そしてその隣に、似た形(ちょっと茶壷みたいな)に活けられたアイリス。
ゴッホのアイリスというと、ゲティ美術館にある、地植えされたアイリスの印象が強いが、静物画のアイリスも美しい。
その後、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、ヴラマンク、シャガールなどの絵も紹介され、実に充実したラインナップ。
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入場者数を限っているため、ひまわりやアイリスの前を含め、全くごちゃごちゃした感じなく、気持ちよく鑑賞出来た。所有者の意向で撮影不可になっている絵画が数点あったが、あとの作品は撮影自由で、カメラを向けている人が多かったがそんなにうざったい感じはなし。余裕があるので、みんな撮影している人に配慮しながら観覧してもストレスにならない程度。
ミュージアムショップの取り扱いアイテムは、SOMPO美術館の恒常的アイテム中心で、価格的にリーズナブル。今回の図録も2500円だったので、まあ良心的かと(買わなかったが)。
本当に静物画ばかりなので、ゴッホを見るのが初めて、という人には、あんまりバランスのいい展覧会とは言えないが、日本人好みの、1888~1890年の明るい筆致のゴッホだけでなく、色々な風合いのゴッホが見られて、わたし的には面白かった。
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