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30代男性サラリーマンが伝える宝塚歌劇の魅力



はじめに

はじめに、僕は宝塚歌劇団が大好きでして、世間で言う推し活をしています。月に数十万使うほどの熱狂的ファンとは言わないですが、友の会という公式会員システム、VISAやJCBなどのチケット優遇、e+やローチケなどの抽選、タカラジェンヌのタニマチをされている方からのチケット融通等を駆使して、毎公演見に行くくらいには好きです(笑)

僕からすると、宝塚歌劇団はもう、魅力にあふれていて、老若男女誰しもハマる要素があると思っているのですが、いざ劇場に行ってみると、あたり一面女性ばかりで、なんとも肩身の狭い思いをしています。奥様に連れられてきた旦那様方も目にしますが同様に肩身が狭そう。

今日は、こんなしがない30代男性でもハマる要素のあるタカラヅカについて、僕が思う面白要素を抽出しながら、少し語ってみたいなと思います。お時間のあるかたはお付き合いください。

宝塚歌劇団の特徴

特徴①:独身女性だけで構成

皆さんご存知の通り、宝塚歌劇団は女性が男性役も女性役も演じる歌劇団で、演者の構成員は独身女性だけとなっています。誤解のなきようにお伝えすると、「独身女性」が要件であり、「恋愛禁止」ではありません。関西に住んでいると、タカラジェンヌとご結婚されている会社の上司とか普通に居り、その方々は普通に当時合コンで知り合うという、一般の男女と同じような出会い方をしています。

男性役のことを「男役」、女性役のことを「娘役」といい、明確な基準はありませんが、身長170センチ前後以上の方は「男役」に、それ以外の方は「娘役」を志望することが多いようです。ただ、もちろん身長が低くても独自の魅力でファンを引き付ける「男役」もいますし、身長が高いからこそ魅せることのできるダイナミックかつしなやかなダンスで魅了する「娘役」もいるのであくまで目安です。

特徴②:みんな音楽学校の生徒

宝塚歌劇団に入団するには、宝塚音楽学校に入学し、2年間芸事を学んだうえで卒業する必要があります。音楽学校1年生は予科、2年生は本科といいます。入団したら生徒ではなくなるのかというと、そうではなく、ずっと芸事を極める生徒という位置づけで、入団1年目のことを「研究科1年」と言います。なんとなくですが、大学院みたいな感じかなと僕は理解しています。

特徴③:明確なスターシステム

タカラジェンヌと聞いて真っ先にイメージするのは、あの大階段を大きな羽根を背負って降りてくるトップスターかと思います。

宝塚歌劇団は、花組、月組、雪組、星組、宙組の5組と、専科という一芸に秀でた専門家集団から成り立っています。このうち花、月、雪、星、宙では明確なスターシステムが取られています。

その頂点に立っているのが、「主演男役」と言われる、「トップスター」です。その相手役が「主演娘役」と言われる「トップ娘役」。男役には番手がついており、2番手から4番手くらいまでが明確なピラミッドを構成しているというのが特徴で、最後のグランドフィナーレで大階段を下りてくる順番も、4番手男役→3番手男役→2番手男役→トップ娘役→トップスターと明確になっています。

特徴④:5組が持ち回りで約1か月ずつ公演

劇団四季なども自分たちの劇場を持つ劇団ですが、宝塚歌劇団は劇団四季とは違い、ロングラン公演はしません。

5組に割り当てられた演目を、各組が1か月ずつ宝塚大劇場と東京宝塚劇場の各劇場で公演するというスケジュール組がされています。この2大劇場での公演は大劇場公演と呼ばれています。

大劇場公演がない組は、全国ツアー(各地を巡る地方巡業で地方からの宝塚受験生を引き付ける重要なイベント)やコンサートをしたり、大劇場公演に向けたお稽古をしたりしており、5組でこのローテーションを回しながら公演しているというのがタカラヅカの大きな特徴となっています。

特徴⑤:お芝居とショーの二本立てがメイン

タカラヅカの大劇場公演は、お芝居(約90分)とショー(約60分)の二本立て構成がメインとなっています。一般の方がイメージされるのは恐らくショーの方で、大階段が登場するのもショーの方です。

二本立て作品の時はオリジナル作品がメインで、座付き作家がタカラジェンヌも魅力を最大限引き出すように考えられた作品を宛て書きするという感じになっています。

トップスターの就任期間は大体約2-3年くらいが多いのですが、その間に1回以上は一本物と言われる作品もやることがあります。これは、二本立てとは違い、1幕も2幕も同じ作品をするというパターンで、「ロミオとジュリエット」や「エリザベート」などの海外ミュージカル物をやるときにはこのパターンになります。

僕が思うタカラヅカの魅力

魅力①:想像を絶する華やかさ

夢の世界に浸り現実逃避をしたいあなた。タカラヅカには想像を絶する華やかさが待っています(笑)特にショーは圧巻の華やかさで、スパンコールだらけの衣装を華麗に着こなしたタカラジェンヌが歌い踊る姿はこの世の物とは思えません。最後のグランドフィナーレは、もうこれを見に来るためにタカラヅカに来たと言っても過言ではないカタルシスが待ち受けています(笑)

魅力②:熾烈を極める番手争い

人事というのはどこの会社でも格好の居酒屋ネタ。明確なスターシステムを取るタカラヅカでも「誰がトップスターになるのか」はファン談義が尽きないネタとなっています(笑)明確なスターシステムの中で、ファンが番手を知るのはショーの階段降りの順番なのですが、毎回どういう順番で誰が下りてくるのかというのは注目の的です。

若手だけれども抜擢されておりてくる人(天海祐希などはこのパターン)もいれば、抜きつ抜かれつの攻防を繰り返しつつ、ようやく抜け出して番手を上げて降りてくる上級生(真矢みきなどはこのパターン)の姿など、その一瞬に凝縮される人事ストーリーは芸事の世界の厳しさを知るとともに、ファンの悲喜こもごもが詰まっています(笑)

魅力③:各組異なる特徴

タカラヅカなんてどこの組も同じでしょう。と思ったあなた。エンターテイメント業界の最大の敵は「飽き」ということをタカラヅカはよくわかっており、5組それぞれ特徴を分けてマーケティングをするという実にファン心を掴んだ戦略を採っているのです。もちろん時のトップスターによって組のカラーは変わるので一概には言えませんが、なんとなくファンの間でのコンセンサスは以下のような感じです。

花組はタカラヅカ筆頭の組ということで、とにかく華やかでキザなThe 男役芸や、華麗なしなやかさを見せてくれるThe 娘役芸を堪能することができます。これぞタカラヅカ、という世界に浸りたいときは花組を見に行かれることをお薦めします。次期トップスターの永久輝せあさんは、The トップスター顔という感じで、とってもかっこよいです(僕の推しでもあります)。

月組は芝居の月組と言われているように、華やかさは他よりはやや少ないものの、心にぐっとくるお芝居を堪能することができます。月組はモブ役をしている下級生も自分の役回りを演じ切る芝居心が根付いており、渋い魅力が持ち味です。次期トップスターの鳳月杏さんは、かなり上級生でトップの座を掴んだ方で、上級生だから出せる渋みや色気が楽しみなところです。

雪組は和物の雪組と言われているように、日本物をやらせると天下一品です。和物は歩き方や着物の着こなし、所作のひとつまで繊細さが求めれる中で、そうした伝統芸を受け継いでいるという自負が雪組には感じられます。ただ洋物をやっている時の華やかさも抜群でとてもバランスのよい組です。次期トップスターの朝美旬さんは、FNS歌謡祭でイケメン黒髪としてばずった方で、これからも楽しみにな組です。

星組はコスチュームの星組と言われていたのですが、現トップの礼真琴さんは、おそらく日本ミュージカルの至宝としてこれからも活躍される100年に1度の逸材で、この方が一声歌うだけで舞台の空気が一変する凄味があります。礼さんに引っ張られる星組が見せる舞台は、普通の舞台興行としても成り立つクオリティを誇り、見るものを圧倒させます。とにかくハイクオリティな舞台を堪能したい場合には星組を見に行くことをお薦めしますが、こうした背景から人気筆頭組となっておりチケットを取るのは至難の業です。

宙組はコーラスの宙組と言われることが多いのですが、個人的には長身スタイリッシュなスターが揃うアダルトな組だなと思っています。175センチ級の男役さんがずらっと揃うその舞台の迫力は圧巻ですが、長身スターが見せる包容力はアダルトな妖艶さもまとっており、それが宙組特有の魅力を作り出しています。

次回に続く

書き始めるとこんなに長くなるとは思わず、好きなことが突き動かすアウトプットへの衝動はすごいなと感じています(笑)この後は、タカラヅカの導入としてどういう作品があるのかや、具体的な観劇マナーの話等ができればと思いますが、少々息切れ気味なってきたのでそれはまた次回とさせて頂ければと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました。また次作もよろしくお願いします。



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