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物語に説得力がある本当の理由と、その心理とは?

あなたには説得したい人はいますか?

僕はよく書店に行くんですが、先日「説得力」に関する書籍が多いことに気がつきました。

誰もが自分の主張を通したいと思うもの。


ただ、ほとんどの人はあなたを信じてはくれません。

そんなときは物語が効果的。


では、なぜ物語が効果的なのか?

それは物語が「発見を導く形式」だからです。

例えば、あなたがマーケターだとします。

あなたは顧客に自分のコンテンツを買って欲しい。

だからコンテンツがいかに素晴らしいかを語り、顧客を説得しようとします。

説得するために必要なデータをかき集め、コンテンツを露出させるために多額の広告費を支払うかもしれません。

しかし、顧客は聞く耳を持ちません。

なぜなら、あなたを信じていないから。

顧客が信じているのは「マーケターは嘘つきだ」という物語なのです。


では、どうすればいいのか?


顧客はあなたではなく、自分の物語を信じています。

つまり、顧客は自分の判断を信じたいのです。

だからマーケターは、顧客が自分から進んで価値を発見するよう導く必要があります。

そこで物語が効果を発揮します。


コンテンツではなく、主人公にフォーカスをあて、彼の変化を提示しましょう。

顧客は主人公の変化を通して、コンテンツの価値を「自分から」見つける心理的プロセスに入るからです。


価値を提示するよりも、価値をほのめかすのです。

マーケティングの権威であるセス・ゴーディンも、著作の中でこう言っています。

「消費者が自分で何かを理解・発見した場合には、単にあなたがそれを主張しただけの場合に比べて、それを信じてくれる可能性は1000倍も高まるだろう」

マーケターの仕事は、顧客の発見を導くことです。

そして物語は「発見を導く形式」です。

考えてみてください。

映画の主人公がいきなり「この映画の主張は・・・」とは言いませんよね?
(もしそんな映画があれば興醒め間違いなし)

物語とは、受け手が主人公の変化から主張を見出す、最も優れた形式なのです。


説得というと上から説教して、言いくるめるイメージかもしれませんが、違います。

心理学的に効果的なのは、顧客が自分自身にあなたのコンテンツに価値がることを証明してもらうことなのです。

だからマーケターは、顧客の「発見の旅」における導き手になるべきです。

このプロセスが、マーケティングにおけるストーリーテリングの真髄なのだから。

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