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ストーリーテラーが覚えておくべき1番大切なこととは?
ハーバート・クラッターは怯えていた。
2人の男に銃口を向けられていたからだ。
その夜、彼とその妻、そして2人の子供たちが殺された。
これは1959年に起きた実際の事件である。
そして、この事件を知ったある男が、独自に調査を始めた…。
男の名前はトルーマン・カポーティ。
『ティファニーで朝食を』の原作者だ。
絵に描いたように幸せなクラッター家と、衝動的な浮浪者だった犯人たちの対照的な関係が、カポーティを惹きつけた。
カポーティは事件に関する人々への取材を始めた。
死刑の前の犯人たちにも会った。
そうして6年の時が経ち、カポーティの取材メモは8000ページを超えた。
このメモを基に書かれたのが、数々の賞に輝いた小説『冷血』である。
歴史的傑作は、カポーティが新聞で読んだたったひとつの記事から始まった。
僕らが心を動かされるものは、至る所にある。
問題なのは、多くの人がそれに気づかないことだ。
僕らは日々の雑務に気を取られて、心を動かす真実を見逃している。
ストーリーテラーは、誰もが素通りしてしまうような景色に、物語の種を見出さなければいけない。
物語の種は至る所にある。
このことを忘れてはいけない。
今、あなたの目の前の景色に、どんな物語の種を見出せるだろう。
「これは…」と思うものは、なんでも使ってしまえばいいのだ。