物語が最も影響力を発揮する条件とは?
あなたは本の一節に、大きな影響を受けたことはありますか?
僕はあります。
あれは大学生の頃。
僕は日頃から「自分ではない誰か」になりたいと思っていました。
自信のない自分が嫌いだったから。
ある日、自宅で開いていた本に、こんな一節がありました。
頭を殴られたかと思った。
そうか、誰かになるのは劣化コピーにることなのか。
それに、あの人だけの魅力があるよつに、僕だけの魅力もあるかもしれない。
他人に目を向けるのは、もうやめよう。
1番出来の良い自分でいよう。
そう思えるきっかけが、あの一節でした。
出来事としては、かなり地味です。
ただの読書ですから。
同じ一節を読んでも、特に何も感じない人もいるかもしれません。
でも僕にとっては、大きな意味があった出来事でした。
僕はこの体験から、ストーリーテリングの原理を学んだのです。
ストーリーとは、出来事の羅列ではありません。
出来事それ自体には意味はないのです。
出来事に登場人物が反応して、初めて意味が生まれるのです。
ストーリーを「出来事の配置順」で考えると「意味」が置き去りになってしまう。
どんなに大きな事件も、登場人物に影響しないなら、出来事としての意味はありません。
逆に、どんなに小さな出来事でも、登場人物が反応するなら意味があります。
大事件が起きなくても、本のページをめくるだけで人生が変わる人もいるのだから。
言い換えれば、物語が影響力を持つのは、「受け手が自分事に感じたとき」なのです。
このストーリーテリングの原理は、ストーリーブランディングにも応用できます。
どんなに大きなプロモーションも、見込み客にとってピンと来なければ意味はありません。
「自分とは関係ない素晴らしい商品」なんて誰も求めてないからです。
あなたが語る物語を顧客に「自分事化」してもらうのが、ブランディングのスタートです。
自分の物語より、顧客の物語を語ろう。
どこかから借りてきた劣化コピーの物語ではなく、顧客が自分事化できる1番出来の良い物語を語ろう。
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