意外と知らないストーリーテリングの脳科学的なもう1つの側面とは?
ストーリーテリングは脚本術などライティングの側面が広く知られています。
しかし、脳科学の視点でストーリーテリングを理解している人はほぼいない。
だからビジネスでストーリーを効果的に活用できる人が少ないのです。
その知られざるストーリーの側面とは、何なのか?
それは脳の「パターン認識」の機能です。
僕らの脳には、経験則としてパターンに当てはめて現実を認識する機能があります。
天井のシミが顔に見えるのは、脳が勝手に「あれは顔だ」という物語を語っているのです。
あるいは、冴えない男の人が白衣を着ただけで、僕らは威厳を感じたりします。
顔ではないものが顔に見えたり、白衣だけで威厳を感じるのは、フィクションとも言えます。
僕らはそうやって経験則としてのイメージをパターン化して、現実に当てはめて認識しているのです。
僕らは脳のストーリーテリングによって、現実でさえもフィクションとして生きています。
ブランドが物語るとき、この脳のストーリーテリングの力を借りるべきです。
なぜなら、ブランディングとはイメージの創造とも言えるから。
成功しているブランドは、特定のイメージを強力に物語っています。
Appleと言えば…
NIKEと言えば…
コカコーラと言えば…
…というように、商品の機能以上にブランドの持つイメージが、購買の決断に強く影響するのはあなたもわかりますよね?
このイメージは、僕らの脳が自動的に語り出したフィクションなのです。
フィクションと言っても、それは嘘とは違います。
フィクションとは「何を信じるか」ということ。
ブランドは顧客が何を信じているかを理解し、その信念に沿ったイメージを創造するための具体的な戦略を立てていくのです。
だからこそAppleはWindowsと同じ戦略は取りません。
コカコーラとペプシも、各々のイメージを守るような戦略で物語るのです。
ブランディングとは、ブランドと顧客が共に物語を語り合う活動なんですね。