ギリシャ神話に学ぶブランドの在り方とは?
あなたはギリシャ神話に登場する、ケイロンというケンタウロスを知ってますか?
ケイロンはヘラクレスやアキレスといった英雄の養父であり、訓練役でもありました。
ケイロンは神々からの教えを、人間に教える役目を担っていたのです。
かつてのギリシャ人は〈師〉とはどのような存在かを、ケイロンというキャラクターに集積しました。
半獣半人のケイロンは、獣の皮をかぶって踊るさまざまな文化のシャーマンを連想させます。
このように、太古の時代から〈師〉とは、自然や高次元の力と人間を繋げる橋のような存在として語られてきました。
それは現代でも変わりません。
ただ現代ではシャーマンに代わり、ブランドが〈師〉の役割を担っています。
ブランドは製品を通して、人々がより良く生きるための価値観を伝えているのです。
物語の〈師〉は、英雄に知恵や道具を与え、英雄の持つ超次元的な力を目覚めさせます。
それと同じで、ブランドは商品を提供し、利益よりも高次の価値観を伝えています。
自分のクリエイティビティを信じて、世界を変えたいという価値観を持つ人にはAppleが〈師〉でしょう。
自分を信じ、勝利を信じているパフォーマーにとってはNIKEが〈師〉なのです。
現代にはケンタウロスもシャーマンもいませんが、僕らは彼らのような〈師〉を深層心理で求めているのです。
これは時代や民族などは関係ない、普遍的な事実です。
だからこそマーケターは利益以上に、
「ブランド=〈師〉」
という視点を忘れてはいけない。
ブランドは、現代に生きるケイロンなのだから。