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ある夜の神さま

ある日の夜、いつも頼りにしている近所の道祖神の近くを通ったので、何の気なしに、いつものようにお詣りをした。賽銭を入れて目を瞑って両手を合わせていると、いつもと違って漆黒の底なしの闇が開いた。 吸い込まれるでもない、何かが吹き出すでもない。底なしの感覚だけが強く強く感じられる。 そのとき思った。〈勧善懲悪とかじゃないんだ。〉 〈いい子にしていたからお救いください〉とか通用しない。 底抜けの闇としかいいようがない。 光が全くなくて、開き切っている広がり。 宗教的ってこういう

    • ミタカの青大将

      久しぶりに三鷹の人見街道を歩いていた。 片側一車線、両方で二車線のそれなりの道なのに歩道がない。 ないばかりか歩行者のエリアを示すラインすらなく、にも関わらず、自転車通行を示す路上のサインが無機的に続いている。 歩行者としては、非常に肩身が狭い。 とはいえ、こんな事態にいちいち苛立っているかといえばそうでもなく、三鷹をそれなりに歩いたことある人は心得ていようが、これは三鷹の常なのである。 下連雀のあたりだって、たいがいなのである。 歩行者や自転車は、何とも肩身が狭い。 そん