伝わらない勇気
どうも山ぱんだくんです。未だにあくせく宿題やってる学生どもに〜言いたいことがある〜〜諦めろ。
さてさて、山ぱんだくんと月曜の理屈
第七十二回は「伝わらない勇気」
あ~辛い時、辛いと言えたらいいのになぁ~あっぁ~
第七十二回 伝わらない勇気
隣町ではせんそうをしているのよ
雨上がりのひんやりとした夜に大学から出ると西の空があまりにも明るくて、僕の立つ場所があまりにも夜で、そんな言葉が思い浮かんだのだけど、呟こうとして、不安になって、一回やめた。
あれ、これ、伝わるかな…
曇天の暗闇を夜の暗闇だと錯覚しているゆえに晴れ間から差し込む夕日に包まれた隣町を見てこんなにも奇異な感覚に囚われているのだけど、その不思議な感覚も含めてまるで隣町の戦争を眺めているみたいだな、なんて思ったんですよ。
と、ここまで書き足してしまいたくなる。自分の言いたいことが正しい文脈で伝わらないのが怖いからいつも僕の言葉は過剰になってしまいがちなんだけど、過剰な言葉はいつだっていささかダサい。
...たかがツイートに大げさな話なんだけども。
数分の逡巡の末、ツイートボタンを押した。ええい、ままよ。
一枚の写真に簡潔な一言を添えたツイートが世界に飛び立っていく。僕は携帯をポケットに入れて歩き出す。
なんとなく明るい空に向かって歩きたくなって、家路を逸れて西に向かって歩いてみたら案の定迷子になった。ひんやりとした道をトボトボと歩いているとイヤフォンから若者のすべてが流れてきた。いとをかし。天気の子の公開日には長い雨が上がったし、ひんやりした夜には全曲シャッフルから「真夏のピークが去った」と流れてくる。この世界って実はとってもドラマチックなんじゃないかしら。
なんて考えてたら家に辿り着いた。昔から川にさえ出れば、帰れるんだよ。あとは流れに沿って歩くだけだからね。
ツイッターを開いてみると、その感性に信頼を置く二人から件のツイートに「いいね」が来ていた。
伝わる人にだけ伝わればいい。思うに僕にはその勇気が足りない。