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こいつは本当になんでもないんだ

 どうもよなかくんです。最近スイスイさんやカツセさん、浅生鴨さんといった著名な方からのメンション(嬉しい)を見て当アカウントに辿り着いた方々を困惑させるほどに凡人ぶりがスパークしていて、申し訳ない思いで息をしています。なるべく酸素少なめに吸います。
 @otowanozakagoを押してみたら、フォロワー少ない・バズった記事も特にない・面白い気配も特にない・プロフィールも意味分からん。じゃあこいつなんなん??と思った方へ。特になんでもないのです。すいません。
 なんでもない自分が「こいつ何?」と思っている方々に向けてこれまでのnoteのこととか、異人と同人Ⅱにお誘いいただくまでの経緯とか、これからのこととか書きます。よろしくどうぞ。

さてさて、よなかくんと月曜の理屈
第一〇六回は「こいつは本当になんでもないんだ」

0.「よなかくん」概要

 東京に生まれ、「のび太がお母さんに怒られているところを見ていられない」という理由でドラえもんを禁じる父と、「小説家になりたい」と言う子供の夢に対して「東大に行けばなれる」と適当な返事をする母と、自分の彼女を家族に紹介するのに僕の同席を拒否する兄、という家庭で育った。

サザエさんとちびまる子ちゃんもNGだが
クレヨンしんちゃんは何故かOKだった

 大学生でドラえもんを初めて見た時は、こんな素晴らしい情操教育を幼いころから受けていればこんなひねくれ散らかした人間にはならなかったと思い大号泣したし、母の言葉を真に受けて小学生のころから東大を目指して勉強していたら中学の終わりには高校の理系数学を全部終えて気付けば理系コースに進んでいた。お前は文学部に行くんじゃなかったのか。あと東大入っても小説家になれるわけじゃないと早く気付け。
 最終的にとち狂った理系たちの集まる某工業大学で楽しく魚の研究をして、今年から社会人。兄との確執は未だ消えないままである。

 就職活動における悪戦苦闘の末、研究職ではなく文系職に就職した。「理系だったのに何故文系に?」と就活でさんざん聞かれたが最後までうまく答えられずに「就職するために大学に行ったわけではないので…」とゴニョゴニョするに終わった。「何故?」という質問に弱い。
 血液型はB型で乙女座。好きな食べ物は蕎麦とチョコレートとつばらつばら。これといった特徴は他にない。

つばらつばらは美味しい。


1.「じゃあ書くか」で100本


 一番最近、僕のところに多くの人が訪れたのはこのカツセさんのツイートだったと思う。あまりの平凡さにこのツイートから訪れた人々を震撼させてしまった。申し訳ない。
 この「毎週note書きます」宣言は約二年前。カツセさんの連載「カツセマサヒコと月曜の退屈」が好きで、終わってしまうのが寂しかったので「じゃあ書くか」と書き始めたのだった。

朝(というか昼)に起きたら通知がすげえことに

 書いた記事の本数は当記事合わせて一〇六本。その間、ただ自分で始めた「連載ごっこ」が楽しくて文章力を磨くとか人気マガジンにしようとかそんなことは特に考えていなかった。ゆえに、大して成長もしなかった。
 …note100本ノックでメキメキ文章力を上げた、みたいなサクセスストーリーではないのだ。申し訳ない。あと筋トレはトレーニング箇所意識しながら丁寧にやった方がいい絶対。
 ちなみに、小さいころは一人新聞記者ごっこが好きだった。一人で新聞を作って満足するお手軽な子供である。

 そんな感じでなんとなく始めたことをいつまでもいつまでも続けてしまう癖は昔からあった。なんとなく書き始めた日記を毎日書き続けて九年ぐらい経ったし「漫画かけるようになりたい。」と漫画を描いている友達に言ったら「毎日四コマ描けばかけるようになるよ。」と言われて律儀に毎日四コマ漫画を描き続けた。100本ぐらい描いたが、漫画をかけるようにはならなかった。何も考えずに四コマ漫画がかけるようになっただけだった。当たり前である。すぐ100本ノック始めるのをやめろ。
 友人に聞くと「あー、あれ、本気でやったの…」と言われ奴の髪の毛を全部引きちぎった。母をはじめとして、適当な発言に振り回されてばかりの人生だ。

ノートはニ十冊くらい。
四コマはいつかどこかで使いたい。

 この二年間でいろいろ書いた。理屈っぽいことを書いてみたこともあったし、人を笑わせるものを書こうとしたこともあった。書いてはみたけれど、どちらも「なんか違うな」と思った。
 本当は抱腹絶倒の面白いことが書きたい。しかし書いている中で、そういや人を笑わせたことなんてほとんどないわと気付いてしまったのだった。泣いた。両親が笑うのは僕が鬼カワイイゆえの微笑みであるし、友人には「ははは」より「は?」と言われることの方が多い。泣いた。兄には嘲笑されたことしかない。泣いた。

そういやワシ、あんま面白くなかった。

 いろいろと試してみた結果、現在の形に落ち着いたのはリアルの知り合いからFacebookやInstagramに書いている怠そうな文章が面白いと言われることがちょこちょことあったからだった。僕にとって一番大切なのは「月曜朝に連載すること」で中身には大したこだわりがない。だからこんな息をしするような文章でおもしろがってくれる人がいるなら、と思い今の日記みたいな形に落ち着いたのだった。本当にこれ理屈か?と思わんでもない(もちろんオリジナルの「月曜の退屈」をもじったタイトルである)。

 そんな感じで試行錯誤した末の現在。なので昔の文章を遡って読まれるのはやや恥ずかしい。読まないで欲しい(フリではない)。ほら、この年齢の時期の二年間って大きいでしょ?そんな時代もあったねといつか笑って話せるわ。

 というのが、「毎週note書きます」宣言からのnote100本ノックのお話。

 何かを続けるのが得意というより、何かをやめるのが下手なので多分これからも続くと思う。


2「じゃあ作るか」で起きたミラクル

 と、noteを書き続けてはいたものの、別に派手な面白さはないしバズったこともない。フォロワーも多くはない。本当にただ、書き続けただけ。そんな人間が何故、異人と同人Ⅱに参加することになったのか。豪華な執筆陣の中に紛れ込んだ違和感に、多分多くの人を困惑させた。申し訳ない。アハ体験じゃないんだから。

 ことの発端は去年の一月。代数系の講義の時間に「本、つくりたいな。」と思いついたのが始まりだった。

あまりに代数系の講義を理解できなかったというのもある…

 ものごころついた時から物語を書いていて、中学生で初めて書き上げた長編小説は「なんかようかい?」というタイトルの妖怪モノだった。タイトルのセンスが光りすぎてて怖い。先日大掃除をしていたら当時その小説を書くために妖怪についてびっしり調べた紙が出てきて、気持ち悪くて捨てた。

空前の妖怪ブームが僕の中に来ていた。

 えっと、なんだっけ。そう、小説の話だ。それまで小説を書いてきたけれど特にどこかで発表するということをしていなくて、数少ない友人の一人が唯一の読者だった。
 それでもその時は「じゃあ本作るか」と思ったので小説を世に出すことになったのだった。

 そして去年五月の文学フリマ当日。何人かの書き手から原稿を集めた手作り感満載の本を自分のブースで並べていると、隣のブースにガチの本をどっさり並べるめちゃくちゃTwitterで見たことがある人がいた。あれこの人めちゃくちゃ見たことある。なんなら本も買って読んでる。ウソだろ、そんなことがあるのか文学フリマ、と思った。開始直後から長蛇の列を作り、来る人来る人みんな知ってる見たことあるこの間本読みました、って人ばかりのその人が、浅生鴨さんだった。わあ。まじか。
 お客さんがはけたタイミングで隣から恐る恐る「あの…伴走者読みました…新刊一冊ください…」と声をかけると鴨さんは非常に爽やかに「ありがとうございます!和綴じ本いいですね!!」と言って拙い我が本を一冊買ってくれた。笑顔に輝く白い歯が眩しかった。ような気がする。

記念すべき第一号とお粗末なディスプレイ。

 本の向こうにいた人が自分の本を手に持っている。夢かこれは。フワフワしたまま自分の本をなんとか売り切り、帰路についた。家に着くとなんだかとても眠くなって、夢だな、と思いながらすぐに寝た。こうして初めての文学フリマは終わった。


 そんな夢のような一日から一年弱が経った頃、相変わらず僕は誰に見せるでもない小説を書きながら、どうにもならない修士論文をどうにかしようと唸っていた。そんな時にTwitterで鴨さんからDMが来た。異人と同人Ⅱに小説を書きませんか?というメッセージだった。青い吹き出しに浮かぶ白い文字を一文字ずつ追いながら、僕はあの日のフワフワした感覚が足元に戻ってくるのを感じていた。これは。
 あの時の小説を読んで、声をかけてくださったとのことだった。考える間もなく「書きます」と返事をした。こうして再び夢か現実か分からない日々が始まったのだった。



3「じゃあこれからどうするよ」

 異人と同人Ⅱの最終稿を提出して、少しして執筆陣にデータが配られると参加作家のスイスイさんからDMが来た。最初にメッセージを見たのが早朝だったので夢かなと思いながら再び寝た。朝起きてもメッセージは消えていなかった。それは僕の小説に対するとても肯定的な感想だった。

返事が遅くなったのは夢だと思ったからです。

 そんな風に褒められたことがなかったので戸惑いつつお礼を言って、これまで小説を書いてきたが特に発表はしていないという旨を伝えると、「これから書いたら世に出して欲しい」と言われた。また、夢みたいなことが起きている…と思った。

 実は以前、連載ごっこの一環でnoteに小説を上げたことがある。しかしすぐに消してしまった。その時上げた小説はもともとある1人の友人のために書いたものだったから、とか、スマホで横書きで見る違和感、とか、理由はいろいろあるんだろうけど、うまく説明できない。いつかまとまったらどこかで書きたい。

 読む人がいてもいなくても多分僕は小説を書き続けるけれど、読んでくれる人がいたらもちろん嬉しいし、なんとか届くようにしたい。noteでまた上げることも考えたけれど結局同じことになりそうなので、これからは文学フリマでどうにか小説を出すようにしたいと思っている(ネット通販…もしよう。なんとか。)自分が大丈夫な範囲で頑張っていく。大丈夫な範囲で。


 終わらせるのが苦手でなんでも続けてしまうことに悩んでいたけれど、続けていたらこんな素敵な場所に辿り着いた。ここは吐きそうなくらい嬉しいことがいっぱい起こるので、胃の内容物が全然足りない日々を送っている。


 「こいつ何なん?」と思った皆さま、お分かりいただけたでしょうか。そういうことでした。ただ僕のなんでもなさと本のクオリティは全く関係ないので一人400冊ずつお買いやがれ上げください。以上、よなかくんでした。

(Amazonもあるよ!!)